新型コロナウイルス禍で2度目となる大学入試シーズンに向け、27日から来年1月の大学入学共通テストの出願が始まる。子供たちは感染リスクと対峙(たいじ)しながらの準備を余儀なくされるため、ワクチン接種を希望する保護者も少なくない。自治体が受験生に優先枠を設けるなど10代への接種が進む一方、塾が独自に接種に乗り出すケースも目立ち、受験に備えた環境づくりが進められている。
接種率に地域差
「接種を終えれば、ひとまず安心できる」
大学受験を控えた高校3年、村木春桜(はるか)さん(17)=滋賀県=はこう話す。1回目のワクチン接種を終え、2回目を来週予定している。
接種を済ませた同級生も多く、2学期に入ってからはワクチンの副反応で授業を欠席する生徒も目立つようになったという。
厚生労働省によると、9月8~14日の20歳未満の新規感染者は1万1534人。全世代の感染者に占める割合は約23%に達した。全国的に感染者の減少傾向が報告される一方、右肩上がりとなっている。
一方で10代の接種率には地域差もある。例えば、東京都でも板橋区の2回接種率は17・5%(17日時点)であるのに対し、港区は55・9%(21日時点)で3倍以上の開きがある。
「模試のあとに」
もっとも、自治体側にも受験シーズン到来に合わせ、10代への接種体制を強化する動きが目立つ。豊島区では、受験などを控えた中学3年と高校3年の生徒を対象に21日から優先的に予約受け付けを開始。10月2日から1回目の接種をスタートさせる。
区の担当者は「若い世代の接種率を上げることが課題。接種に関する不安などの相談も受け付けているので受験生も積極的に接種してほしい」と呼びかける。
「模試が終わったあとの夕方には接種できないか」
「土日は模試があるので接種日が限られてしまう」
12~19歳の受験を控えた小中高校生に優先枠を設けた埼玉県加須(かぞ)市には、保護者からこうした問い合わせが相次ぐ。浪人生や資格試験受験生も対象にしており「安心して受験できるようにしたい」(担当者)。
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