同じ学校であっても男女の合格ラインに差が生まれる東京都立高校入試の男女別定員制について、都教育委員会は21日、都内の私立中学校や高校でつくる「東京私立中学高校協会」と協議し、廃止を目指していくことで合意した。ただ具体的な廃止時期は示さなかった。女子校が多い私学側に男子の受け皿が少ないことや、中学校の進路指導に与える影響が大きいことを踏まえ、「段階的・計画的に見直しを進める必要がある」とした。
都教委は男女別定員を設定している普通科高校の一部で、男女の合格ラインの格差を是正する目的で、定員の1割を男女合同の順位で合格者を決める「緩和策」を導入しており、今春の入試では普通科110校のうち42校で実施した。
21日の合意では、都教委はこの緩和策を拡充し、その影響を踏まえて男女別定員の廃止時期を探る考えが示された。まずは2022年春の入試結果を分析する必要があるため、廃止時期を検討するのは22年度以降となる。
都道府県立高校の入試で、男女別定員を設けているのは東京都のみ。毎日新聞が入手した都教委の内部文書によると、15~20年に実施した入試では、是正措置の実施校でも約8割で女子の合格ラインの方が高かった。今年8月には、都立高の教員らでつくる団体が廃止を求める要望書を、約3万筆の署名と共に都教委に提出していた。【大久保昂】
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