英語試験を組み込む私立中学校 この7年で10倍近く増加
2020年度から小学校で英語教育が導入されたことをご存じだろうか。
17年3月に文部科学省が告示した小学校の「新学習指導要領」が、3年後から本格的に実施され、英語の学習は、3、4年生は「外国語活動」として、5、6年生は教科「外国語」として始まった。文科省「新学習指導要領全面実施に向けた小学校外国語に関する取組について」(19年9月4日教育課程部会資料)に目を向けると、小学生のうちから、外国語、とりわけ英語に慣れ親しませることで、中学校、高校とその学習内容が接続できるように工夫をし、「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」の5領域それぞれの言語スキルを向上させることが狙いらしい。
そして、多くの私立中学校がこの潮流に乗るようになった。
21年度の首都圏の中学入試において、帰国生入試以外での英語試験を何らかの形で導入している学校は143校(国立1校、私立142校)もある。7年前の14年度はたったの15校であり、出題校数はおよそ10倍になっている。
英語試験導入を加速させるきっかけになったと考えられるのは、慶應義塾湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市)の19年度入試からの「改革」ではないか。従来4科目(国語・算数・理科・社会)でおこなっていた一般入試ではあるが、そこに3科目(英語・国語・算数)の選択を可能にしたのだ。慶應義塾湘南藤沢中等部は難関の共学大学付属校ゆえ、この試みは教育関係者、小学生保護者の間で大きな話題になった。
今後も自校の中学入試で英語を組み込む私立中学校の数は増えていくに違いない。
とはいえ、私立中学入試は依然として4科目 (国語・算数・理科・社会)の試験が主流である。英語の試験はあくまでも定員の少ない特別な入試回のみで導入している学校が多い。
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