埼玉県教育局は10日、今年の夏休み期間中(7月26日~8月31日)に、県内の公立学校(さいたま市を除く)の児童生徒2949人が新型コロナウイルスに感染していたと明らかにした。小学生は家庭内で感染したケースが7割を超えていたとみられる。高田直芳教育長は10日の会見で「新学期が始まり感染爆発を心配したが、今はやや落ち着いた状況」とした上で「まだ潜伏期間であるという懸念もあり、引き続き陽性者数の伸びに注視したい」と述べた。
さいたま市を除いた県内の感染者は小学生1174人、中学生807人、高校生901人、特別支援学校が67人。教職員の感染は小学校96人、中学校70人、高校55人、特別支援学校36人で計257人だった。対象の学校1245校のうち約75%に当たる935校で感染者が確認された。特に高校では141校中135校(95・7%)で認められた。保健体育課の担当者は「夏休み中だったこともあり、特に小学生は多くが家庭内感染」と説明した。
週ごとの感染者は盆明けの8月14~20日の683人が最も多かった。県内の感染者の減少に伴い、児童生徒の感染も減っており、8月28~9月3日は400人だった。高田教育長は「県内の大人の感染がピークを過ぎたことに伴い、減っている」と分析した。
県内の学校では保健所の業務逼迫(ひっぱく)に伴い、児童生徒の行動履歴を調査できず、感染経路や学校内の濃厚接触者の確定、検査拡大の判断などができていない。
同課によると、小中学校の感染者全体の感染経路は9月7日時点で、小学校は学校内が5%、家庭内が71%で、中学校は学校内が12%、家庭内が56%とみられている。
また、高田教育長は県内の教職員のワクチン接種率の調査を行っていることも明らかにした。「12歳以下の子どもたちは接種対象になっていない。教職員が感染源になることは避けなければならない」と話し、「授業もあるので、業務を脇に置いてでも接種に行けるような職場環境を整えたい」と今後の方針を示した。
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