埼玉県は25日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、夏休み明けに分散登校を行うことや1教室20人以下で授業を行うこと、部活動の制限など、緊急事態宣言中の県立学校の対応を決めた。会議後、大野元裕知事は「新規陽性者の拡大ペースは鈍化しているが、高い状況が続く可能性がある」と対策継続の必要性を強調。高田直芳教育長は「2学期は高校生3年生の就職出願も始まる大事な時期。さまざまな感染対策を徹底させ、可能な限り教育活動との両立を図りたい」と対策への理解を求めた。
対象は9月1日に新学期を迎える県立の高校139校、特別支援学校43校(分校含む)、県立中学1校の計183校。各学校や児童生徒の状況を踏まえて、対応するよう要請する。
基本的な感染防止対策の徹底に加え、1教室が20人までとなるよう、特別教室やオンラインを活用するなど、分散登校を各校の状況に応じて実施する。授業中は児童生徒の間隔を可能な限り2メートル空けるよう求める。
通学中の感染リスクを下げるため、混雑時間を避けられるよう始業時刻の繰り下げ、また、短縮授業を行う。マスクの正しい着用を徹底し、不織布マスクの着用が望ましいとして効果の周知を図る。感染リスクが高いとされる音楽の授業での合唱、管楽器演奏や家庭科の調理実習、保健体育での密集する運動などは中止する。
部活動は緊急事態宣言が解除されるまで、平日2日以内、1回90分以内に制限し、引き続き公式大会やコンクールを除く合同練習や練習試合などの校外活動は禁止とする。宣言期間中の9月12日までに予定されている文化祭や体育祭などの学校行事は、児童生徒と教職員のみで実施するよう求めた。また、同期間中の泊を伴う修学旅行などは延期や中止とする。
学校内で陽性者が出た場合は、感染管理認定看護師がオンラインで指導を行う「eMAT(イーマット)」を活用し、早期支援を行う。また高田教育長は学校や校医の意見をまとめ、陽性者が出た際に休校などを各校が判断できるよう、一定の基準作りを進めたいとの考えを示した。
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