萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年8月27日):文部科学省 – 文部科学省

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年8月27日):文部科学省-–-文部科学省 基本問題

令和3年8月27日(金曜日)


教育、スポーツ、文化、その他

キーワード

学校内で新型コロナウイルス感染者が確認された場合のガイドライン等、文化芸術活動の充実支援事業の予備費措置、旭川市女子生徒が遺体で見つかった件、幹部人事、新型コロナウイルスの感染拡大と学校の課外活動について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年8月27日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年8月27日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年8月27日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)


 おはようございます。冒頭、私からは4件です。


 まず、本日、学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染者が確認された場合の対応ガイドラインを作成し、発出することとしましたのでお知らせします。学校で感染者が確認された場合の対応については、これまでも「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」等においてお示ししてきました。一方、緊急事態宣言対象地域等においては、保健所の業務のひっ迫により、濃厚接触者の特定等の調査が遅延するなどの恐れがあることから、そのような場合の対応について示すものです。具体的な内容としては、まず、学校で感染者が発生した場合に、保健所が行う濃厚接触者や検査対象者の特定のため、濃厚接触者等の候補のリストの作成に設置者や学校が協力することが必要な場合があり、その際の考え方を具体的に示すこととしています。その上で、濃厚接触者等の特定やその検査結果が判明するまでの期間、また、把握された全体像の状況から感染が拡大している可能性が高いと判断される場合の学校の臨時休業の考え方を具体的に示すこととしております。また、やむを得ず学校に登校できない児童生徒へのICTを活用した学習指導についても、GIGAスクール構想によって整備された端末を活用した学習活動を円滑に実施することができるよう、学校の参考となるチェックリストや実践事例集などを準備しており、本日中に教育委員会等宛てに提供する予定です。学校や教育委員会等におかれては、これらをぜひ参照していただき、家庭とも連携しながら必要な環境整備や準備を早急に進め、非常時にあっても児童生徒の学びを止めないという観点から、確実に取り組んでいただきたいと考えております。


 2件目です。本日の閣議において、新型コロナウイルスにより活動の長期自粛を余儀なくされている文化芸術団体等を支援するため、「ARTS for the future! 事業」への予備費措置を決定しましたので報告します。本事業は、1次募集において、予想をはるかに上回る約5,300件の申請をいただき、8月上旬までに約2,700件を採択、約180億円を交付決定したところです。既に、9月6日(月曜日)より2次募集を実施する旨、周知していますが、この度の予備費により、2次募集分として、総額230億円の措置が可能となりましたので、今後さらに、迅速な審査と早期決定に努めてまいります。国難とも呼ぶべき現状において、人々の心を癒やし、勇気づける文化芸術の力は極めて重要です。文化芸術関係者の皆様方に、ARTS for the future! の積極的な活用をいただくことで、文化芸術を通じた希望の光を国民の皆様に届けてまいりたいと思います。


 3件目です。今年3月、旭川市において、中学2年の女子生徒が亡くなられた事案について、旭川市に設置された第三者委員会において調査が進められております。本件につきましては、これまで何度か報道でも取り上げられておりましたが、先日8月18日、当該生徒の保護者の代理人弁護団が会見を行って、当該生徒の実名や写真、御遺族の手記を公開され、手記においては、事実関係の究明、公平・中立な調査の実施の依頼等について記載されておりました。これまで、文科省としても、旭川市及び北海道教育委員会へ事実確認などを行うとともに、継続的に指導・助言を行ってきたところでありますし、また、先日の記者会見でも、本件についての所見を聞かれ、私としては、第三者機関が調査をしている最中なので、今まで、行政当局とのやり取りは引き続き行いますけれども、加害者の児童等の存在もありますので、丁寧な対応でその行方を見守りたいというふうにお答えをしたところですが、その後、市長が任期途中で退任をするという報道を受けましたので、このような深刻な事態の中でですね、まだ中間報告もなされていない中で、首長が退職をするということに対して、私は、極めて、危機感を覚えましたので、昨日26日に、文科省の担当課長を旭川市に派遣をしました。現地では、旭川市の教育長及び北海道の担当局長、第三者委員会の委員長から現状等をお伺いするとともに、御遺族の意向を伺いながら、調査を迅速かつ適切に進めること、第三者委員会の中立性を担保しつつ、御遺族の不安感・不信感を軽減させるため、御遺族に対して、これまでの進捗状況について、しっかりと報告を行うことを文部科学省の担当課長よりお伝えをしたところです。その結果、旭川市において近日中に会見を開き、第三者調査委員会の進捗等について説明を行う機会を設けるとの説明を受けました。事実関係等について第三者委員会による調査を鋭意進めていただくとともに、文科省としても、引き続き、両教育委員会からの状況報告を求めながら、必要な指導・助言を行ってまいりたいと思います。


 最後に、本日の閣議において、9月1日付けの人事について内閣の承認を得ました。内容については、別途、お知らせしている資料の通りですが、柳孝新文部科学審議官においては、第6期科学技術・イノベーション基本計画に基づく諸政策の着実な推進に加え、本年10月に予定されている研究系部局の組織再編を契機とした文科省における科学技術・イノベーション政策の更なる強化などに向けて、全力で取り組んでもらいたいと考えております。私からは以上です。

記者)


 2点、お聞かせください。まず、新型コロナウイルスなんですけれども、抗原検査キットがですね、幼稚園・小中学校に配布されることになりましたが、現場では、陽性者が出た場合にどういうふうに隔離するのかですとか、そういった不安の声もあります。現時点の運用のイメージについてお聞かせください。

大臣)


 学校内で感染者が発生した場合に早期に発見・対応する観点から、文科省では、教職員や、速やかな帰宅が困難である等の事情がある小学校4年生以上の児童生徒を対象に、抗原検査を簡便に実施できるように、幼稚園、小学校、中学校等に、最大約80万回分の抗原簡易キットの配布を行うこととしております。今回配布するキットは、まず、教職員を対象に使用することを基本としつつ、児童生徒については、原則、体調不良の場合は速やかに帰宅を促すことになっておりますが、あるいは、直ちに医療機関への受診を指導することを徹底することになっておりますが、例えば保護者の方がお勤めでですね、直ちに学校に迎えに来れない、あるいは、来れたとしても診療所などの開いてる時間に、その日のうちに病院に行けない、こういう可能性があった場合に補完的に使用することを前提としております。検査に当たっては、教職員本人又は児童生徒本人が、教職員が立ち会った上で自ら検体を採取し、例えば、検査の結果が陽性になった場合は、速やかに帰宅し、確定診断を行うために医療機関を受診するなど必要な対応をとっていただくことには変わりはありません。文科省としては、抗原簡易キットの配布を9月上旬から開始し、その他の取組と合わせながら、学校における感染拡大の防止を支援してまいりたいと思います。こういったイメージです。

記者)


 ありがとうございます。もう1点は、冒頭発言にございました旭川のいじめなんですけれども、確認ですが、これは、進捗状況の説明ということで結論ではまだない。

大臣)


 どういう中身の発表があるかちょっと私も分かりませんけれど、先ほど冒頭申し上げた通り、これは、本当に多くの国民がですね、心を痛め、また、注目している案件です。他方、未成年者の登場人物がきっといらっしゃるんでしょうから、そういう意味では、配慮に配慮を重ねた対応をしていることを、我々は寄り添って、一定時間かかることは仕方がないなという思いの中で、単に催促をするのではなくて、指導・助言を繰り返してきたのですけれど、ちょっと先ほど申し上げたような局面があって、ちょっと私もびっくりしました。これだけの重大案件を抱えて市政のトップが変わるということが、任期満了なら仕方ないですけれどね、どういう理由だか存じ上げませんけれども、途中でお辞めになるような報道が事実だとすれば、これは、やっぱり在任中の責任で、きちんとですね、途中経過あるいは結論、こういったものを出してもらうのは当然じゃないかと思っていますので、そう遠くない然るべき時期に、旭川市がきちんと公表するということを期待しています。

記者)


 結論まで。

大臣)


 そこはちょっと分かりません、私は。

記者)


 結論が出るまでは、まだ、文科省としても。

大臣)


 もちろんです。

記者)


 今、最初の幹事の質問にあった抗原キットについて伺いたいと思います。これ、学校現場としてみると、例えば、これが医療行為に当たるんじゃないかとかですね、それから、ないしは、もし先生が手伝っていたときにですね、子供が鼻血でも出しちゃったりしたら非常に対応に困るとか。なかなか、学校ではどういうふうなことをやってよくて何はやっちゃいけなくて、また、陽性になったときに、先ほどお話がありましたように、親を呼ぶにしても直ぐに呼べなかったりして、学校にはそれを隔離しておいておく場所もないという状況もあって、なかなか対応が難しいんじゃないかという声をよく聞きます。こうしたものについても、一定のガイドラインみたいなものを用意するお考え、そうしたことはあるんでしょうか。

大臣)


 先ほど私が申し上げた通りですね、これ、具合が悪いというお子さんが、例えば小学校の場合を今おっしゃっているわけですね。

記者)


 そうです。

大臣)


 高校生やなんかは問題ないと思うのですけれど、小学生なんかの場合にはですね、これ、具合が悪いって言って保健室に来たから直ちに抗原検査をするということを勧めているわけではなくてですね、その場合は、当然熱を測ったりして、具合が悪ければ帰ってもらうのが原則です。あるいは、通院を直ちにしてもらうのが原則なのですけれど、しかし、その対応に時間が生じる場合にはですね、養護教員など、また、担任の先生などと協力をしながらですね、こういったツールも使って、できるだけ早く状況を確認する必要も時にはあるのではないかということで。そもそも80万セットを全国に配るわけですから、各学校にいくのはそれぞれ限られた数になりますので、運用方法については、マストじゃなくてぜひ柔軟な使い方をしてほしいということをお願いしています。先ほど4年生と申し上げたのは、4年生以上だったら自分で検体を鼻の中から採ることができるだろうけれども、低学年の場合は、ご指摘のように、自分でやってみてと言ってもなかなか難しいし、じゃあ医師資格を持っていない先生たちがそういった行為をすることを奨励するわけにもいきません。学校医の到着を待つということになるのだと思いますので、そこは、それぞれシミュレーションで違う対応をしなきゃならないので、あくまで今までそういったものもない中で新学期を迎えることになっていましたので、一つの、ある意味、安心を確保するツールとしてお配りをさせていただきますけれど、もう一度言いますけど、マストではないということでございます。

事務方)


 今、大臣がお話になったような留意点を手引きで示す予定にしております。

記者)


 新型コロナ禍における課外活動に関して伺いたいなと思うんですけれども、専門家の方からいろんなご発言がございましてですね、先日は、基本的対処方針分科会の尾身会長は、部活動に関しては中止した方が良いのではないかという見解を示されてですね、その影響かどうか分かりませんけれども各地で部活の中止というのが、かなり、決定するようなものが続いてきています。大臣、かねてより、部活動をできるだけ可能な範囲でやってほしいというお考えだったかというふうに思うんですけれども、この状況でですね、かなり厳しい声も出てきている中で、そのお考えにお変わりはないのか、もしくは慎重な対応を呼びかけるお考えがあるのかという点と、それから、修学旅行や体育祭・文化祭に関しても、感染研の方が慎重な対応を求めるような声明を出しておられますけれども、この点をどのようにお考えになりますでしょうか。

大臣)


 新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長がですね、部活動の延期ですとか一時中止を求める発言をされたことは承知しています。部活動は、子供にとって大切な学びの機会であり、また、教育的意義を有する活動であるため、私としては、一律に中止することではなくて、地域の感染状況を踏まえて、感染症対策と部活の両立を図って、可能な限り、活動できる機会は確保していただきたいというふうに考えておりますが、現在、全国的に新規感染者数が増加して、これまでに経験したことがない感染拡大の局面にあることから、感染状況に応じて、感染リスクの高い活動、一口に部活動と言っても全く接触のない部活動も中にはあるわけですから、一律に全部部活動を中止ということではなくて、活動の中身・実施の在り方、こういったものをしっかり見ていただいて、部活動に付随する場面での対策、例えば更衣室での、狭い更衣室での着替え・お喋りとかですね、あるいは合宿所で集団活動している場合などもありますので、こういった感染リスクが高い場面について、しっかり学校の管理者や設置者が責任を持って、警戒度を格段に高めていただいて、一層の感染症対策に取り組んでいただきたいなと思っています。日本中、今、状況が違いますので、例えば大会をですね、やむを得ず中止するということも出てくると思うのです。すなわち、出れる地域の学校もあれば出れない学校もある中で、大会が成立しないということは極めて残念なのですけれど仕方がないことだと思います。しかし、あらかじめ中止を前提に行うのではなくて、その可能性は、引き続きですね、教育現場の皆さんに模索はしてほしいということの気持ちには変わりはありません。一方、体育祭ですとか修学旅行などを延期・中止という動きも、当然、同様に出てくると思います。これは、今の感染状況を考えたらやむを得ないことだと思いますが、いつも申し上げているように、3月31日までがそれぞれの皆さんの学年の学期でありますから、安易に中止という選択ではなくて、まずは延期を考えていただいて可能性を模索してもらいたい、例えば修学旅行でしたら、例年行っている行き先ではないところで、感染拡大が広がっていないようなところを選んで、また、出発の時期を見直してですね、できる限り、子供たちにとって思い出に残る学修機会ですから、何とか実施はしてほしいという気持ちには変わりはありません。従って、そのための、キャンセル料の補填ですとかあるいは交通手段を変更した場合の支援など、大会なども含めて、既に、文科省としても、様々なメニューで現場の応援をしているところです。

記者)


 冒頭ご発言がありましたガイドラインについて、2点、教えてください。1点目は、こちらは、ご説明にありましたように、緊急事態宣言地域などで保健所の業務がひっ迫していて早急に調査が難しい場合に、学校や自治体などが独自で休校・学級閉鎖などが判断できるガイドラインという位置付けでよいのかということと、もう1点は、休業の考え方を具体的に例示というふうにおっしゃられたんですけれども、例えば、学校で感染者が何人出たら学級閉鎖しようとか、そういった数にまで言及されているのか教えてください。

大臣)


 実は、私としては、こういう緊急事態時でありますから、できるだけシンプルな方がいいという思いがあったのですけれど、やっぱり感染状況が自治体・地域によって異なりますので、あらかじめ人数だけをもってですね、学級閉鎖とか学年閉鎖を促すということではなくて、やっぱり状況に応じて判断は柔軟にしてもらおうということに今の段階ではしていますので、そこに人数が入ってくるということは、ちょっと今、考えています。これは、うちだけの通知で出しますとね、保健所と齟齬が生じてもいけないので、文科省と厚労省連名できちんと各自治体に出す準備をしています。で、大事なことは、最終的な濃厚接触者をですね、学校の先生たちが決めろというのはこれは無理な話です。ですから、最後はやっぱり保健所の判断を仰ぐことになるんですけれど、しかし、今は残念ながらですね、全国で、なかなか陽性患者が出たからといって、濃厚接触者を指定してほしいと言ってもですね、直ちにその対応ができない自治体が増えているのも事実です。従って、それを待っていたらどんどん時間が経ってしまいますので、あらかじめ陽性の児童生徒が出た場合にですね、どの範囲をどうやって調査をしてもらうか、あるいは一時的に自宅で待機をしてもらうか、こういうあらかじめの範囲をですね、きっちりした形ではないのですけれども、皆さんの判断がしやすいようなものを、本日夕刻までに、しっかり厚労省とも連携しながら準備をしようと思っています。従って、何が起こるかと言うと、濃厚接触者の指定がないと行政検査のPCR検査ができません。こういったものも迅速にやるために、特に学校の場合はですね、皆さん不安に思いますから、少し広めにとれるようなことも我々関係閣僚の間では合意をしているのですけれど、これも、保健所の事情が様々なので、一概に、例えばクラス全部を検査をしてくれと言うとこれはパンクしてしまう自治体もありますので、ここは、ちょっと柔軟にですね、現場と考えながらやらなきゃならないという辛さがありますけれど、1人のお子さんが発症した場合に、なかなか子供の場合は、別にクラスでじっとしているわけじゃないですからね、例えば中学生だったら放課後の部活動の仲間もいるし、クラスだけじゃなかったり、あるいは隣のクラスのお子さんと朝夕登校を共にしているなんてこともあるので。そういったことの、言うならばヒアリングをですね、保健所を待たないで、あらかじめ先生方でチェックしてもらおうねということだけは先に進めておく準備をしたいと思っています。

(了)

大臣官房総務課広報室

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