今、知っておきたいことをお伝えする「イマシリ!」。きょうのテーマは、『デルタ株拡大のなか… 学校はどうする?』。
こちらは、広島市教育委員会が公表している広島市立校に通う小学生から高校生までの感染者数なのですが、5月にぐっと増えていて、先月からのいわゆる「第5波」で再びぐっと増えています。アメリカの疾病対策センターは、デルタ株の感染力は水ぼうそう並みと指摘しています。
そんな中、夏休みが終わって、学校生活が始まります。いったい、どうすればいいのか、何ができるのか、広島市の小学校に聞いてみました。
広島市中心部にある袋町小学校です。あす26日から始まる授業に向けて準備が進んでいますが、いわゆる“第5波”の影響で、これまで以上に授業内容への制限を考えなければならないそうです。
「これは、8月20日に教育委員会から来たものです。レベル3っていうことで…。」(広島市立袋町小学校 福田忠且校長)
広島市教委と県教委は、県内が「まん延防止等重点措置」の対象となる来月12日まで、学校での感染防止対策をこれまでのレベル2からレベル3に強化するよう、各学校に通知しました。
「新型コロナになって1年半が経つんだけれども、慣れてはいけないことなのかなと思いますし、子どもたちの安全のことを考えれば、当然、やっていかないといけないなっていう気持ちではいます。」(福田忠且校長)
期間中、できなくなることの1つに家庭科の調理実習も含まれます。
「新型コロナのなかったころはグループで作って、みんなで食べるという感じだったけど。今はやったとしても自分で作ったものを自分だ。学校が再開してからは当分の間、調理実習はしないというふうにしています。」(福田忠且校長)
授業で調理実習をするのは、5年生と6年生。今の6年生は、本来のスタイルを味わえないまま卒業することになるかもしれません。
「夏休みに入ってから、ことしは(プール)掃除をしたんです。去年、掃除できなかったので、子どもたちが泳ぐわけではないんですけども…。」(福田忠且校長)
去年の全国一斉休校以来、「児童が密集する運動」は制限されていて、水泳の授業は2年連続で中止されています。
「子どもたち、夏は楽しみにしているので。泳ぎたいんだと思うんですけど、みんなで我慢ということですね。」(福田忠且校長)
さらに今回、警戒レベルが上がったため、体育の授業ではサッカーやバスケットボールなどの球技もとりやめ、縄跳びや陸上などの個人競技を中心に実施します。例年は、町内会と一緒に開催している運動会も去年からは学校単独で行っています。
「町内会の方はご高齢の方もたくさんいらっしゃるので、子どもたちから感染したとなるとたいへんですので。夏休み前まではなかなか子どもに感染することも少なくて、学校で感染対策をしっかりやっていれば、だいじょうぶだろうという気持ちもあったんだけれども、これだけ子どもたちが感染している状況を見ると、これから学校生活これまでどおりの感染対策でだいじょうぶなのかなと少し心配になります。これ以上、何をすればいいのかってところですよね。」(広島市立袋町小学校 福田忠且校長)
◇ ◇ ◇
今回の市教委や県教委の通知は、「まん延防止重点措置」の対象となったことを受け、学校での対応のレベルが2から3に上がるために、出されたものです。レベル3になると、VTRで紹介した球技や調理実習のほかにこういった活動もできなくなります。
・対面形式のグループワーク
・音楽の合唱やリコーダー 鍵盤ハーモニカ
・理科の実験
・図工や美術での共同制作など
レベル2のときは「距離をとるなどの注意を払いながら、リスクの低い活動から徐々に実施」となっていたのが完全にできなくなります。
別の小学校では、音楽の授業で使うために人数分の木琴を用意していたところも。ある中学校では、学校内の消毒液の設置を増やすだけでなく、「携帯用の消毒液」の持参を呼びかけたところもあります。
子どもたちはコロナ禍が始まってからずっと我慢しています。学校は、教科書の内容を学ぶだけじゃなく、集団生活を味わう場でもあるのに、何もかもが制限されるのはつらいことです。広島も「緊急事態宣言」となると、さらに厳しい対応が迫られる可能性もありますね。
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