1日、国立競技場で行われた陸上競技男子100メートル決勝。目の前にいるのは、9秒80で金メダルに輝いたラモントマルチェル・ヤコブスら世界最速のスプリンター8人。スタート直前の選手の状況を確認する競技役員の出発係を務めた。
「記録への挑戦や国の威信をかけて、集中力を高めていく選手の姿を間近に見て脚が震えた。同時に、わくわくもした」と振り返る。
自身、元陸上競技の選手。高校2年では走り幅跳びで宮崎県3位に。大学院修了後、教諭となり、陸上部の顧問をしながら地元の大会などで競技役員を務めてきた。今は宮崎市立住吉中で保健体育を教える。
2013年に東京での五輪開催が決定。「何らかの形で関わりたい」と宮崎陸上競技協会を通じて競技役員としての参加を希望し、思いがかなった。
陸上競技が始まった7月30日から8月7日まで、トラック種目で選手たちをレーンに誘導、ルールに沿った準備をしているかなどを確認する役割を続ける。秒刻みの予定で大変だが、限界に挑むアスリートの姿に感動する約1週間でもある。
24日開幕の東京パラリンピックでも陸上競技で競技役員の出発係となる。中学校で指導した外山愛美選手(23)が女子400メートル(知的障害T20)に出場予定で、教え子と同じ舞台に立てることを心待ちにしている。
「難しいと思ったことに挑戦することは大切」。五輪で得た経験を子どもたちに伝えたい。(西部本社 平島さおり)
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