今回、関西大学人間健康学部・神谷拓研究室は、「最新 スポーツ大事典(大修館書店)」を参考に1895年のバレーボール誕生期のルールを再現した「歴史追体験動画」を制作。球技の「成り立ち」に関する指導は実技指導に比べてノウハウが十分に蓄積されていない状況を受け、球技の過去と未来をつなぐ新たな教育アプローチとして中等教育における体育科の指導教材としても活用できる動画を制作した。
実際の動画を見てみると、バレーコートに「跳び箱」「ゴール」「大型マット」等、通常のバレーボールには必要のないものが次々と用意され、「9イニング」「ドリブルあり」「サーブでのパスOK」「障害を使った攻撃あり」と、奇想天外なバレーが繰り広げられる。しかし、これらはすべて明記された1895年当時のルールであり、これが当時のバレーボールの当たり前だという。
神谷研究室は「スポーツ教育学」を研究テーマにしており、教職志望の学生が多いことから、今回「文部科学省の学習指導要領に記載されている球技の教材としても使える動画をつくってみた」という。中学校の学習指導要領(2017年3月告示、第2章第7節「保健体育」)には、学習内容として「球技の特性や成り立ちの理解」が記載されており、勝敗を競う楽しさとは別に、スポーツの歴史や背景を学ぶ意義や、現在のルールに至るまでの成り立ちを理解することの大切さを実感してもらうべく、バレーボールの旧式ルールを再現した動画制作を通じて考えるきっかけを提示した。
神谷教授は、「今回の動画づくりは新たな教育方法の提案という側面も持っている。座学で学ぶのも知識だが、身体を動かして成り立ちを学ぶのもまた知識だということを、中学校や高等学校の教員免許取得を目指す学生にはぜひ知っておいてもらいたい」と、コメントを寄せている。制作動画は関西大学神谷拓研究室の公式YouTubeチャンネルにて視聴できる。
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