試合へのキーワードは「克服」
オヤマさんがいつも選手たちに伝える言葉が「克服(Superacao)」。パンデミックに入ってからはより一層その言葉が重みを増した。
パンデミックの初期はクラブも閉鎖し、選手たちは通常練習ができず、再開するまで自宅で自主トレーニングを続けることになった。
「パンデミックは間違いなく障害でした。しかし、全員が克服すべき課題で、オリンピックで悪い結果が出た場合の口実にはなりません」と同監督は語気を強めた。
ブラジルでは全員が一緒に練習できる施設はなく、各選手は所属するクラブでオリンピックに向けて日々の練習をこなしてきた。3人の選手は、ポルトガル、スウェーデン、スペインで練習し、各自がベストを尽くして良好な状態にある。
「ブラジル人選手たちは集中力や責任感があり、私は彼女たちを信用しています。それぞれにコーチがおり、私とも信頼関係でここまで準備を進めてきました。あとは試合本番を見守るだけです」
オヤマさんが強豪と心得るのは、中国を頂点に日本、韓国、ドイツなど。中国の3人の選手と日本の伊藤美誠選手、石川佳純選手といった世界のトップ選手と対戦しても、不安にならないメンタル面の強化も説いてきた。
オヤマさんの目標は「結果を考えず、各試合を真剣に戦う」こと。
「強い選手を抜けるような瞬間があれば、そのチャンスを逃さない。恐れることなくアグレッシブで、流れるような真剣勝負を見てほしいです。私たちは最高の結果を出して、ブラジルに戻ることを願っています」(続く、大浦智子記者)
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