東京医科大、不正入試で和解 558人に5700万円支払い – goo.ne.jp

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東京医科大=東京都新宿区で2018年7月4日、手塚耕一郎撮影

(毎日新聞)

 東京医科大の不正入試を巡り、特定適格消費者団体「消費者機構日本」(東京都)が大学に受験料などの返還を求めた裁判は27日、東京地裁で和解が成立した。東京医大が元受験生558人分の受験料など計約5700万円を機構側に支払う内容で、558人には受験の回数などに応じて1人当たり約4万〜約22万円が支払われる。

 被害者に代わって被害回復を求めることができる消費者裁判手続き特例法が2016年10月に施行されてから、具体的な支払額が決まるのは初めて。

 東京医大は17、18年度の一般入試とセンター試験利用入試の2次試験で、現役の男性受験生らに加点する一方、女性や4浪以上の男性、高校卒業程度認定試験(旧大検)合格者らには加点しない得点調整を募集要項に明記せずに実施。計7209人が受験して計393人が合格した。機構は、不合格者のうち女性や浪人生ら563人分の計約6600万円を支払うよう東京医大に求めていた。

 機構によると、浪人年数が確認できないなどの4人分は和解が成立せず、残りの1人は和解に先立ち支払額で東京医大と合意した。

 機構の磯辺浩一理事は記者会見で「個別には手を挙げづらい被害の回復に制度を活用できた」と話した。東京医大の矢崎義雄理事長は「再発防止を徹底するとともに、適切な入試の実施に取り組む」とのコメントを出した。【遠山和宏】

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