「無症状で感染が確認されました。現時点では東京オリンピックへの参加は不可能です」
IOC(国際オリンピック委員会)の柳承敏(ユ・スンミン)委員が17日夜、自らのフェイスブックで「新型コロナウイルスに感染した」と明らかにした。柳氏はIOC委員兼大韓卓球協会会長として2020東京オリンピックに参加するため、この日の午前中に東京成田空港に到着した。ところが直後の入国手続きの際に受けた唾液を使った検査でコロナの陽性反応が出たため、指定の宿泊先に隔離された。東京オリンピックに参加するIOC委員でコロナの感染が確認されたのは柳氏が初めてだ。
東京オリンピックの開幕をわずか4日後に控え、コロナウイルスの脅威が徐々に高まりつつある。ワクチン接種とは関係なく選手村の内外でオリンピック関係者の感染が確認されるケースが相次いでいるのだ。今月に入って日本でコロナに感染したオリンピック関係者は55人。うち17日と18日には25人の感染が確認された。IOCと組織委員会がコロナを100パーセント統制するのは事実上不可能なようだ。日本政府が強調する「安全・安心のオリンピック」というスローガンが空しく聞こえてくる。
■意味を成さない「コロナ・バブル」
柳氏はアストラゼネカ製のワクチン接種を2回受けていた。今月13日と15日の検査でも陰性だった。ところが17日の検査で陽性が出たのだ。柳氏は今後隔離施設で6日を過ごし、7日目と8日目にPCR検査を受けて陰性が出れば活動を再開できる。柳委員は18日、本紙の取材に「今も症状は全く出ていないが、感染の知らせに選手たちが動揺しないか心配だ」とコメントした。
IOCのバッハ会長は「オリンピック関係者はほぼ100%近くワクチン接種を受けた」と強調しているが、ワクチンだけでは安全を保証できないのが現状だ。IOCと組織委員会が大会開催に向け強調している「バブル感染対策」についても不安が広がっている。最も徹底した感染対策が行われているはずの選手村からも感染者が出たからだ。17日と18日に南アフリカ共和国のサッカー代表チームから3人(選手2人、関係者1人)の感染が確認され隔離された。IOCと組織委員会は彼らがどのようなルートで感染したか、誰と接触したかなどについてはコメントしていない。
新型コロナのデルタ株が流行し、開催地の東京でも感染者が急激に増えている。17日(土曜日)に確認された新たな感染者は1410人、18日(日曜日)は1008人だった。前の週の同じ曜日に比べていずれも400人ほど多い。全国の新たな感染者もこの2日間で7000人近く確認された。
大会関係者と一般市民の接触を遮断する「プレーブック」(規定集)が有名無実化するケースも次々と確認されている。組織委員会は18日、異例にも参加者たちに「規定を守ってほしい」と呼び掛けるほどだった。
■事態を悪化させるIOCと組織委員会
大会組織委員会は18日、東京赤坂の迎賓館でバッハ会長とIOC関係者を招待して歓迎会を開催した。一般市民に対して集会の自粛を求める「緊急事態宣言」が発令されているため、この歓迎式については「不適切」との批判が相次いでいる。バッハ会長は菅義偉首相に「感染状況が改善すれば、競技場に観衆を入れてもよいのでは」という意見を伝えたこともひんしゅくを買った。
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