【ソウル=共同】激しい受験競争で知られる韓国で、政府が新型コロナウイルス感染から受験生を守るため、大学入試共通テストの模擬試験受験者にワクチンの優先接種を決めたところ、高校既卒の志願者が昨年よりも約3万人増えた。
韓国メディアは「ワクチン目的の偽受験者」が殺到したと報じているが、大学進学を実際に希望している浪人生の数は今回模擬試験の志願者よりも多い可能性があり、政府はこうした見方を否定。ワクチン確保に遅れた韓国では、接種は高齢者優先で「ワクチン付き模擬試験」の志願者増は接種を後回しにされた若者の危機感が反映されたと言える。
韓国では日本の大学入学共通テストに相当する大学修学能力試験(修能)が例年11月に、模擬試験が9月に、それぞれ行われる。政府は安心して準備を進めてほしいとして高校3年生には今月接種を始め、高校既卒者は模擬試験に応募すれば8月に接種を行う。
この模試に志願した高校既卒者が今年は10万9千人と昨年より3万人以上増えた。模試は高卒なら年齢に関係なく1万2千ウォン(約1100円)の手数料で受けられる。韓国メディアによると、インターネットに「9月の試験を受けてワクチンを早く打とう」との書き込みが多くあった。
ただ、昨年本試験を受けた高校既卒者は約14万6千人。今年も同程度の規模の浪人生がおり、このうちワクチン接種が受けられるために模試に参加する人が昨年より増えたことも考えられる。
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