名古屋市北区で昨年夏から毎週末、ボランティアが小中学校レベルの勉強を教える「はじめの一歩教室」が開かれている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う昨年春の一斉休校で家庭学習を強いられた外国人の小中学生を支援するために始まった。その親や日本人の高齢者、不登校の中学生も通うようになり、生徒は当初の五人から四十五人に増えた。主宰団体代表の笹山悦子さん(63)は「学校教育に取り残され、困っている人がたくさんいる」と語る。(梶山佑)
「ブンカイって何ですか?」
プリントを使った一対一の授業で、数学の因数分解を学ぶのは同市中川区在住のネパール人ヘムさん(18)。現在は定時制高校一年。学校での学習を補うため、国語、数学、理科を習う。昨年八月、誕生したばかりの「はじめの一歩教室」に通い始めたとき、同区の公立中学校三年生だった。
同年一月、カレー店で働く父親の家族滞在の在留資格で来日。ネパールで八年間の義務教育を修了していたが、九年に満たないため、公立中に編入した。しかし、すぐにコロナ禍で休校に。ほとんど日本語がわからないまま家庭学習を強いられた。
先に来日していた姉が、「はじめの一歩教室」のスタッフと知…
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