娘の自殺は、教師のわいせつ行為と無関係? 学校の対応に絶望する母の告白(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

花のつくりとはたらき

何度も死のうと思いました

 「娘が亡くなってから、私もさまざまな想いが巡って鬱状態になり、何度も死のうと思いました。娘と同じようにベランダの淵に立ってみたことも何度もあります。でも、簡単には死ねないんですよ。足がすくむほど高くて、ものすごく怖いんです。それなのに、娘はここから飛び降りたんですよ。こんなに怖いのに、それでも死を選ぶことしかできなかったつらさを思うと、娘が抱えていた傷の大きさが苦しくて仕方ありません……」

 6年経った今、母親のさつきさんの苦しみは癒えるどころか増すばかりだという。

 Hさんは、自殺する1年前の中学3年の時に、信頼していた教師からわいせつ行為を受けている。そこから精神不安定が続き、Hさんは苦しみ続けた。高校に入学し、一旦症状は安定したように見えた矢先、悲劇は起きてしまった……。

※被害にあったHさんのお名前は仮名に、お母様からお借りしたお写真は顔の部分のみ加工を加えております。

事件後42キロから35キロにまで激やせ

 調査報告書によると、当時の調査で学校側は厳しく問い詰めたが、わいせつ行為を行なったS教諭は、最初は「(キスした以外に)何もなかった」と答えたとある。しかし、それは真実ではなかった。さつきさん自身が動いて、警察とHさんの面接がなければ、彼が行った過去のわいせつ行為はうやむやになっていたともいえるのだ。S教諭に真実を追求できていない学校の対応が適切だったどうかにも疑問が残る。

 Hさんは、理科室でのわいせつ事件後から自殺願望を口にするようになった。

 「わいせつ事件が起きた1カ月後ぐらい、12月ごろから、学校を休みがちになり、朝から泣き出すこともありました。事件後、学校側はスクールカウンセラーを用意しました。ですが、娘は『自分がスクールカウンセラーに話したことをすべて学校側に報告される、そのためにやっている』と感じていて、スクールカウンセラーを信じていなかったと思います。

 娘は、学校でわいせつ事件のことが噂になっていることや、S教諭の処分について気にかけていたようです。事件から日に日に痩せていき、42キロから35キロまで一気に体重が減ってしまいました。帰宅し、ふと見るとベランダの淵に立っていることもありました。とても心配でそばについていたかったのですが、部屋に入ると娘が怒るので、私は極力部屋の近くにいて、物音がしているかどうか、いつも耳をそばだて音がしなくなると部屋を覗くというような日々を送りました。

 そして、娘は体も心もつらい状態なのに、学校を休むと内申点が落ちるのではないかと心配し、無理に学校へ行こうともしていました」

 内容が内容なだけに、さつきさんも自分の友人や知人に気軽に相談できる状況ではなかった。事件後、さつきさんの日常も大きく変わった。傷つき、不安定な気持ちの娘を抱え、途方に暮れるさつきさん自身も気を張り詰め、どんなにか心細かっただろうと思う。

 結局、さつきさんは、娘の様子から学校へ無理に通わせないほうがいいと判断し、出席日数のことで教頭に相談したそうだ。
「教頭は、調整しますと言ってくれました」
しかし、蓋をあけると内申では調節など一切なく、単なる「欠席扱い」となっていた。

 「受験の際の面接で、娘は面接官から『休みが多いけどなぜか? 』と聞かれたそうです。学校側は、結局何も配慮はしてくれなかったのです」

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