紙から切り抜いたアート作品“切り絵”といえば、一般的に思い浮かぶのは台紙などに貼った平面の作品。そんな“切り絵”を、立体にした作品が「素敵!」と話題になっている。
まずは作品を見てほしい。
指の上に乗るのは青と白の色合いが美しい鳥(コルリ)の姿。切り抜かれた模様はいくつもの花びらが重なっているような細やかさで、鳥の繊細な羽が幻想的に表現されている。
鳥の輪郭を形作る立体の中は空洞で、後ろから当たる光が模様の隙間に入り込み、まるで内側からも輝いているようだ。
また、2羽の鶴をモチーフにしている別の作品では、鶴の躍動感が表現されている。
もちろんこちらも、上を向くくちばしから細くしなやかな首、そして流れるような胴体と軽く広げた羽などには、紙から切り抜かれた繊細な模様が刻まれている。
この2つの作品は、立体切り絵アーティストのともだあやのさん(@unico0c_0)が「#無言で切り絵作品のせたら何RTくるのか」とのコメントと共にTwitterに投稿したもの。
投稿には「言葉が出てこなくて…惹きつけられるように見とれていました」「切り絵ってなんだったか1度考えた…」といった称賛のコメントが多く寄せられている。
平面の作品が多い切り絵のイメージを覆すような、立体的な切り絵は、紙で作られたとは思えない見応えがある。
実際どのようにして立体の切り絵が作られているのだろうか? 制作者のともださんにお話を聞いた。
平面の切り絵を組み立てて制作
ーーどのような経緯で立体的な切り絵を作り始めたの?
始めたのは高校3年生の夏で、大学入試のためです。女子美術大学のAO入試の際に手のひらサイズの立体作品という課題を出され、当時は全然違う作品を提出する予定だったのですが、私が切り絵をよく作っているのを知っていた高校の恩師に、「自己推薦の制度を利用するなら長所を活かして自分らしく試験に臨むように」と言われ、切り絵を立体にしようと思い至りました。
ーーどうやって作っているの?
クロッキーや写真を元に曲線ごとにパターンを作り、平面の紙に切り絵を施していきます。それをビーズやつまようじを使って丸めていき、組み立てをしていきます。
道具はオルファのデザインカッターと、バンコのカッティングマット、トーヨーの折り紙タント、遠野和紙、楮、コニシの木工ボンドを主に使用してます。
ーー1つの作品に紙はどれくらい使っているの?
小さい作品だと折り紙一枚分くらいです。トーヨーの折り紙タントと自ら漉いた和紙と遠野和紙を主に使いますが、薄くて切りやすいものであればその他のファインペーパーを使う事もあります。
ーー作品の完成にはどれくらいかかる?
基本的には1~3カ月ほどです。大きい作品になると半年から一年かかることもあります。
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