授業時数配分を弾力化…文科省「特例校制度」創設 – リセマム

基本問題
 文部科学省は2022年度から、小中学校等の授業時数配分について一定の弾力化による編成を特例的に認める「授業時数特例校制度」を導入する。特例校に認定されると、1割を上限に標準授業時数を下回った教育課程の編成が認められ、別の教科等に上乗せできる。

 6月28日開催の中央教育審議会の第124回教育課程部会において、新制度の概要が示された。

 小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程では、学校教育法施行規則で教科等や学年ごとに標準授業時数が定められている。各学校は、標準授業時数等を踏まえ、学習指導要領に基づいて各教科等の教育活動を適切に実施するための授業時数を具体的に定め、適切に配当する必要がある。

 創設される「授業時数特例校制度」は、総枠としての授業時数は引き続き確保したうえで、カリキュラム・マネジメントに係る学校裁量の幅の拡大の一環として、教科等ごとの授業時数の配分について一定の弾力化による特別の教育課程の編成を認める制度。学年ごとに定められた各教科等の授業時数について、1割を上限として標準授業時数を下回って教育課程を編成し、別の教科等の授業時数に上乗せすることができる。

 対象となる学校種は、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程。対象となる教科等は、小学校が国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語。中学校が国語、社会、数学、理科、音楽(第1学年)、美術(第1学年)、保健体育、外国語。道徳や特別活動等、年間標準授業時数が35単位時間以下の教科等は対象外となる。

 充実する学習内容の例には、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力といった「学習の基盤となる資質・能力の育成」、伝統文化教育、主権者教育、消費者教育、法教育、知的財産教育、郷土・地域教育、海洋教育、環境教育、放射線教育、生命の尊重に関する教育、健康教育、食育、安全教育といった「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成」があげられている。

 制度を利用するには、文部科学省に申請し、特例校として認定される必要がある。文部科学省では、8月に募集を開始し、2022年度から新制度を導入する方針。制度の実施にあたっては、特別の教育課程の内容を事前に保護者や地域に説明するとともに、学校Webサイトで公表することも求める。また、制度の運用状況を把握し、検証する観点から、文部科学省が必要に応じて調査等を行う。

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