三六災害では天竜川の氾濫で飯田市の川路小・中学校が二階まで浸水し、中川村の中川東小・中学校四徳分校が土石流にのみ込まれるなど各地の学校が大きな被害を受けた。豪雨が迫る中で各校は休校措置を取るなどして難を逃れた。だが、避難の判断を誤れば大惨事につながりかねない。自然災害が頻発する現在の学校の避難計画の現状は−。
「体育館の入り口が水浸しになった。裏山が土砂崩れする恐れもあり、すぐに裏山から最も遠い理科室に全児童を避難させた」。昨年七月、豪雨災害に襲われた市和田小の大池満校長が当時を振り返る。
山に隣接する体育館のそばには土砂流入を食い止めるためのコンクリート壁を県が設置し、万一の場合に備えていた。主に地震を想定した避難マニュアルも用意していた。幸いにも児童らに被害はなかった。だが、土砂災害などを想定した避難確保計画はなかった。
避難確保計画は土砂災害防止法の改正に伴い、二〇一七年、国が福祉施設や医療機関などに策定を義務付けた。災害時の関係者の情報共有のあり方や避難先までの経路などを盛り込む必要がある。
策定の対象には小中学校も含まれるが、市町村による「要配慮者利用施設」指定が前提となる…
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