学校のマスク着脱、香川県教委が指針 差別防止や熱中症対策 – 毎日新聞 – 毎日新聞

基本問題


香川県教委が入る香川県庁の天神前分庁舎=西本紗保美撮影

 新型コロナウイルスの感染対策による児童生徒のマスク着用について、香川県教委は熱中症対策として、「運動時はマスク不要」「気温や湿度が高い日には対策を講じた上でマスクを外す」など、着脱に関する指針を県立学校に通知した。保護者からも健康への影響に不安の声が寄せられていた。

 香川県内では感染の急拡大により、5月上旬には県独自の警戒レベルが最高に達し、10代以下の感染者も増加。マスク着用について、文部科学省や県教委のガイドラインでは熱中症リスクを踏まえて「屋外で人と十分な距離を確保できる場合には外すよう指導する」としているが、県内小中学校や保護者らへの取材によると、感染拡大以降、登下校時にも着用を求めるなど対応を厳しくした学校が一部あった。一方で、保護者からは「子供は苦しくて外したくても、周囲の目を気にして我慢しがち」と指摘する声が上がっていた。

 6月21日に県の警戒レベルが上から3番目の「感染拡大防止対策期」に引き下げられたことを受け、県教委は18日、県立学校での感染症対策について通知。マスクの着脱について、運動時は準備や片付けの時間を除いて着用が必要ないことや、子供自身で着脱の判断が難しい場合は、教職員が積極的に声を掛けることなどを明記した。

 健康上の理由などから、マスクの着用が困難だったり、常時着用が必要だったりする場合もあるため、子供同士で差別や偏見が生まれないよう指導することも盛り込んだ。県教委保健体育課の担当者は「以前から同様の通知を出していたが、保護者の声や新聞報道などをきっかけに寄せられた意見も参考に改めて通知した」と説明している。

 三豊市教委では県教委の通知を市立小中学校や幼稚園に周知した際、「人との距離が取れる場合、登下校時はマスク不要」「小学生には特に積極的に、屋外などで外すよう指導する」といった内容を強調して伝えた。担当者は「学校が県教委のガイドラインを細部まで確認できていない場合もある」と説明する。

 高松市立多肥小学校は6月中旬、登下校時は原則マスクを外してよいという通知を保護者に出した。「児童数が多く密接して会話しやすいため、従来はできる限り着けることにしていたが、暑い日が続いており、熱中症対策を優先する」としている。【西本紗保美】

Powered by the Echo RSS Plugin by CodeRevolution.