教育学部に「地元出身枠」 熊本大22年度推薦入試 小学校志望者を確保へ | 熊本日日新聞社 – 熊本日日新聞

 熊本大が来春の入学希望者を対象とした2022年度入試で、教育学部の推薦入試に「地域枠(10人)」を新設することが17日、分かった。県内の高校出身で、県採用の小学校教員を目指す高校生らが対象。地元からの入学者を確保し、熊本市外の過疎地などでの勤務に意欲を持つ教員を育てる。

 教育学部の22年度入試の募集定員は220人。このうち小学校専攻の「学校推薦型選抜Ⅱ」など推薦枠は、全体の3割弱の59人を計画しており、うち10人を「地域枠」とする。

 過疎地勤務をいとわず、学校長が推薦することなどが要件。推薦できるのは各校1人で、大学入学共通テストや面接などを課す。

 在学中は、熊本市外の小学校で教育実習を経験。県教育委員会の協力を得て、指導主事が地域の教育の実情を教える講義もある。一方、「進路は学生の自由意思で決めるもの。強制できない」として県教員採用試験の受験は義務付けない。

 県教委によると、22年度採用の小学校の志願倍率は1・4倍(併願除く)。熊本市の政令市移行に伴って市教委が独自採用を始め、県教委が熊本市外の公立学校教員を採用するようになった13年度の5・1倍から大きく落ち込んだ。市教委の倍率も低下しているが、近年は2~3倍程度で推移。県教委を下回ったことはなく、“格差”が生じている。

 田口浩継副学部長は「へき地勤務に不安を感じる学生もいるが、小さな学校だからこそ、やりがいは感じられる。過疎地の教育の魅力を学生に知ってもらい、地域に貢献する大学としての役割を果たしたい」と話す。

 熊本大によると、全国では岡山大、三重大、長崎大などが同様の推薦枠を導入している。(臼杵大介)

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