高浜行人、上野創
早稲田や慶応、東京大といった首都圏の大規模大学が、関東以外の地方出身の高校生の受け入れを狙った入試方式を相次いで導入している。遠方の学生を獲得しようと動く理由はなんなのか。(高浜行人、上野創)
早稲田大学は2018年度入試から、地域貢献を目指す学生を集める「新思考入試(地域連携型)」を開始。全都道府県からの受け入れを目指し、今春までに27都道府県から合格した。大学入学共通テストが必須だが、課題リポートなどの書類が重視される。
商学部3年の坂本つづみさん(20)は19年、この方式で島根県立松江北高校から入学した。故郷は人があたたかく居心地が良かったが、首都圏に比べて仕事は少なく、県外進学に目が向いた。この方式での受験を意識し始めたのは高3の春。茶道部の活動に力を入れていたため、課題リポートには、放課後児童クラブと連携して茶道体験教室を開いた経験などを書いた。
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入学後はこの方式で入った学生と一緒の授業で地方の振興策を考えた。将来は島根の活性化にかかわりたい。「学んだことで地元への思いが強まった」
同大の20年度入試(一般とセンター試験利用)合格者がどの都道府県の高校出身かを見ると、最多の東京都(39・0%)を含む関東地方の高校出身者だけで76・6%。00年度から約16ポイント増えた。入試担当者は「新思考入試を周知し、少なかった地域の高校生にも目指してもらいたい」という。
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東京大学も16年度入試から始めた推薦入試で、地方の高校生に積極的な応募を促している。1校からの出願人数を絞り、地方を含めたさまざまな出身校の学生に入ってもらうことで、多様性の確保を狙っている。
今年度は札幌、横浜、広島…
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