小学6年と中学3年の全員を対象にした文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が27日、一斉に行われた。石川県内では、公立小中約290校の約2万人がテストに臨んだ。昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、実施は2年ぶり。昨春の一斉休校による学習遅れに対応するため、例年の4月から繰り下げた。
国語と算数・数学の2教科の学力をみる他、コロナ禍の学習への影響も調べる。
参加は、国公立の全校と私立46・7%の計約2万9千校で、小6が約105万4千人、中3が約102万8千人。石川県内では特別支援学校を含め、小学6年生約1万人、中学3年生約1万人が調査対象となっている。国立の金大附属小中や私立の星稜中、北陸学院中でも行われた。
県教委によると、調査結果は8月末までに市町教委などに伝えられる。
当日の実施が困難な場合は6月末まで延期できる特例措置を設けているが、平均正答率などの集計からは除外する。文科省によると、今月11日時点で学校行事などと重なった213校が後日実施を決めている。
テストでは昨年度までに学んだ内容が出題され、小6は新学習指導要領の内容が初めて出題範囲に含まれる。従来は基礎知識を問う「A問題」と活用力を測る「B問題」に分かれていたが、2019年度から統合した出題形式になり、試験時間も小学校は計90分、中学は計100分に短縮された。
学校や児童生徒への質問紙調査では、学習意欲や学習方法、学習環境などを尋ね、コロナ禍の影響を調べる。
全国学力テストは07年度に全員参加方式で始まり、民主党政権が一時、約3割の学校を抽出する方式に変えたが、自民党の政権復帰で全員参加に戻った。11年度は東日本大震災で事実上実施できず、昨年度はコロナで中止。今回で13回目となる。
電子版通じ閲覧
全国学力テストの問題と解答は、北國新聞の電子版「北國新聞デジタル」を通じて27日午後5時過ぎから閲覧することができる。
★全国学力テスト 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。児童生徒の学力を把握して学校現場の指導改善につなげることを目的に2007年度に始まり、小6と中3の全員が対象。国語と算数・数学の2教科が基本で、3年に1度は小中とも理科が加わり、中3は英語を同程度の頻度で実施する。児童生徒や学校に生活習慣を尋ねる調査も行う。文部科学省は教育委員会が学校別成績などを公表する際は、過度な競争を招かないよう配慮を求めている。
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