「私立中学校フェア埼玉2021」開催…1666人が来場 – 読売新聞

「私立中学校フェア埼玉2021」開催…1666人が来場-–-読売新聞 花のつくりとはたらき

 埼玉県内の私立中学校が一堂に会する「私立中学校フェア埼玉2021」が5月9日、さいたま市の大宮ソニックシティビルで開催された。昨年は新型コロナウイルス感染のために見送られたが、今回は、入場希望者を抽選で絞り、入場時間を分けるなどの対策を講じて実現した。会場には参加31校の個別相談コーナーが設置されたほか、学校紹介や模擬授業、動画を使った部活紹介なども行われ、中学受験を考える親子連れら1666人が来場した。

入場者制限でゆとりを持たせた個別相談コーナー

体温の計測をしながら、間隔を取って入場する
体温の計測をしながら、間隔を取って入場する

 「フェア」会場となったのは、大宮ソニックシティビルの地下1階にある第1~5展示場と6階の会議室。地下1階の第1~5展示場には、県内31校の個別相談ブースが設けられ、6階の会議室は、参加各校による学校説明会や模擬授業の会場に充てられた。

 個別相談ブースでは、コロナ感染対策のために、教員と来場者の間に仕切りが設置されていた。また、事前申し込みで1時間ごとに350人までと入場者を制限したため、人気校のブースの前に相談者の長い行列ができていた例年と比べ、会場内には落ち着いた雰囲気が漂っていた。参加者たちは目的のブースを訪れては、担当教員から普段の学校生活や卒業後の進路、具体的な入試対策などの生の情報を聞いていた。

各校の相談ブースも十分な間隔を空けて設置された
各校の相談ブースも十分な間隔を空けて設置された

 ある親子は、「たくさんの人が来る会場に足を運ぶのは躊躇(ちゅうちょ)もありましたが、会場内も落ち着いていて、人と人とのスペースもある程度保たれているように感じました。この先、コロナの状況によっては志望校の説明会などに参加できないことも考えられたので、この機会に先生方のお話を伺えてよかったです」と話した。

 また、ある保護者は、「志望している学校が、今回のコロナウイルスの流行に対して、いち早くリモート授業を取り入れ、きめ細やかな対応をしたことを聞いて、一層安心感が増しました」と話した。

各校の特徴を伝える学校説明や模擬授業

 6階では学校説明会や模擬授業が実施された。四つある会議室のうち二つを30分ごとに交互に使用したり、1室の入場者を約50人に制限したりして、「密」にならないように工夫を施していた。

東京農大第三高校附属中学校で行われたタマネギのDNAを取り出す体験授業
東京農大第三高校附属中学校で行われたタマネギのDNAを取り出す体験授業

 星野学園中学校(川越市)は、類義語・対義語についての国語の模擬授業を行っていた。集まった親子連れたちに教員が、「『ひねる』はどっち?」という問題文と一緒に、水道の蛇口の写真と雑巾を絞る写真を見せる。答えかねている参加者たちに、教員から「『ひねる』という言葉は、力をあまり必要としないものに使います」と説明があると、みな納得の表情を浮かべた。ほかにも「利用」と「使用」の違いや、語源についての説明などが行われ、子供たちの知的好奇心を刺激していた。

 東京農業大学第三高等学校附属中学校(東松山)は、タマネギからDNAを取り出す理科の体験授業を行った。参加した子供たちは席に着くと、めいめい手渡されたプラスチックコップの中で水とすりつぶしたタマネギ、洗剤を入れてかき混ぜる。これで細胞膜の成分が壊れるという。さらに食塩を加えてガーゼで濾過(ろか)し、エタノールを静かに注ぐと白くふわふわした糸のようなDNAが見えてきた。子供たちは互いのコップを見比べたりしながら、抽出したDNAを慎重にスポイトで小瓶に移して持ち帰った。

 浦和実業学園中学校(さいたま市)は、スタンプラリー形式で学校紹介を行っていた。部活紹介や学校生活紹介、入試問題に挑戦するコーナーなどがあり、参加した子供たちは、各自のペースで回りながらスタンプを集めていく。スタンプポイントの一つである「ジェフ先生と話そう」コーナーでは、ネイティブのジェフ先生を相手に英単語のしりとりをする体験が行われ、子供たちは積極的に先生に話しかけながら、一緒に答えを導き出していた。

城川校長による昌平中学校の説明会
城川校長による昌平中学校の説明会

 浦和明の星女子中学・高等学校(さいたま市)の説明会には島村(しん)校長が登壇し、多くの視聴希望者を集めた。島村校長は友達をつくる方法をテーマに話し、その中で、学校生活の目標は、それぞれの生徒が個性を大切にし、競争するのではなく、互いの違いを尊重し、助け合っていくことができるようになることにある、などと説明した。

 昌平中学校(杉戸町)でも、城川雅士校長が登壇して学校説明を行った。同校が取り組むIB(国際バカロレア)中等教育プログラムに基づいたアクティブラーニングと基礎学習の組み合わせについて解説。入学時の偏差値が51.3だった生徒が東京大学に合格した例などを挙げながら、同校の教育がいかに生徒の主体的な学習姿勢を育てるかについて語った。

 (文:山本華子 写真:中学受験サポート)

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