東京都医師会理事で「名和医院」院長の内科医・弘瀨知江子氏が5月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小学校と中学校で始まっているという、がん教育について解説した。
飯田浩司アナウンサー)いま、がん教育というものは、どのくらいの年齢の子どもに対して行われているのですか?
弘瀨)小学校から中学校、高校とやっております。
飯田)いつごろからやっているのですか?
弘瀨)小学校の場合は、令和2年度からスタートしております。中学校は令和3年度、高校は令和4年度からの予定です。
飯田)高校では、この先始まって行くということですね。
弘瀨)そうです。
飯田)子どものうちから、がん教育が必要になったことには、どういう背景があるのですか?
弘瀨)健康教育の一環として始まっており、いま国民的には、2人に1人ががんになると言われています。そのために、「特別な病気ではなく、身近な病気である」ということをまず知っていただきたい。がんに向き合い、罹患されている人と触れ合いながら、自分あるいは他人に対しての命の大切さや、健康の重要性をわかってもらいたいということで始まっています。
飯田)私は昭和56年生まれなのですが、我々が子どものころは、がんのイメージというとテレビドラマなどでしか触れ合う機会がなく、「がんにかかったら命は助からない」というようなイメージでした。学ぶ場がなかったため、実際はそうでないにも関わらずギャップが生まれてしまったわけですが、「身近な病気として捉えて欲しい」というのはそういうことですか?
弘瀨)そうですね。
飯田)子どものうちからがん教育をやるということは、行動を変えて欲しいなどの狙いがあるのでしょうか?
弘瀨)そうですね。がんになってから慌てるのではなく、「がんにならないようにするためには、どうすればいいのか」ということが大事だと思うのです。
飯田)食生活や生活習慣などですか?
弘瀨)まさにそうです。
飯田)大人になって行く段階で、成人したらいろいろな嗜好品に手を出すことは、もちろんあるかも知れませんが、その辺りの教育も必要ですか?
弘瀨)すごく大事なことですね。最も言われているのは喫煙です。そのため、最初から吸わないような教育と言いますか、自分の健康を守るためには、安易に吸ってはいけないということを、わかってもらいたいと思っています。
飯田)子どものうちに吸うのはもちろん論外ですけれども、成人してからであっても、リスクが相当高いということですね。すでに令和2年度から全面実施ということですが、小学1年生から6年生まで、全ての学年でやっているのですか?
弘瀨)基本的には、小学校の学生指導要領のなかに含まれて、体育の教科書に「がんとはどういうものか」ということが書かれています。小学校の5年生、6年生の教科書には、すでに載り始めています。
飯田)ある意味で、保健体育の部分ですか?
弘瀨)そのなかに入っています。
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