コロナ流行下、米国名門大学で「マイノリティ」続々合格のワケ(幻冬舎ゴールドオンライン) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

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リモートワークやオンライン授業、オンライン飲み会…新型コロナウイルスの流行は私たちの生活に大きな変化をもたらしました。興味深いことに、アメリカではコロナ流行が一因となって、ハーバード大学などの名門大学において合格者の顔ぶれに大きな変化が起きているようです。ボストン在住の筆者が解説します。

出願者数も合格率も「合格者の内訳」も激変

新型コロナウイルスが流行するなか、多くの米エリート大学は、今年の入試にて、記録的な出願者数と合格率の低下を報告しています。たとえば、ハーバードマガジンによると、ハーバード大学は、昨年より17,000人以上の57,435人が出願。そのうち1,968人が受理され、合格率は、昨年の4.9%から大学史上最低の3.4%となりました。

ニューヨークタイムズに、マクドナルドで働きながら、ニューヨーク市の公立高校に通い、大学を卒業していない失業中の母親と一緒にブロンクスに住むジアーナ・カベロさんの話が紹介されています。

カベロさんは、コーネル大学に合格しましたが、「全国統一テストが一時停止したこと」「ジョージ・フロイド(白人警官に殺された黒人男性)さんの死で、炎上した抗議が入試事務局担当者の注意を引き、学生たちの人種的正義と多様性の価値観を引き出すためのエッセイ問題が作成されたのではないか」と考えています。

また、サウスカロライナ州在住の18歳のジェイレン・コックリンさんは、中学生のときハーバード大学に行きたいと決心しましたが、「黒人男性にかけられている固定観念に逆らい、みんなが間違っていると証明することも、ハーバードへ行くきかっけになりました」と語ります。またコックリンさんは、ハーバード大学が「社会的抗議のために」、彼のような若い男性に何らかの義務を感じているのではないかと疑っていました。そして今、それが正しいと思えるようになりました。

コックリンさんは、ハーバード大学、エモリー大学、イェール大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ウェイクフォレスト大学、デビッドソン大学、ジョージタウン大学に合格したそうです。

ハーバード大学の入学と財政援助の学部長ウィリアム・フィッツシモンズ氏は、学報の声明のなかで「これらの出願者は、過去1年間、前例のない課題に直面し、克服してきました」「彼らの出願と体験談は、彼らの回復力、知的好奇心、そして家族、学校やコミュニティへの多くの前向きな貢献を見せてくれました。本当に感銘を受けました」「私たちは、特に誰もどのようになるのかわからない状況で、今年の志願者の、多様性と強さを見て嬉しくなりました」と述べています。

今年、ハーバード大学に合格した学生の52.9%が女性。全米50州、コロンビア特別区、プエルトリコ、米領バージン諸島、そして世界94ヵ国から集まっています。

さらに、前述のハーバードマガジンによると、第一世代の学生(=両親が大卒でない)は20.7%(昨年19.4%)、連邦ペルグラントの資格をもつ学生は20.4%(昨年19%)、アジア系アメリカ人は27.2%(昨年24.5%)、アフリカ系アメリカ人は18%(昨年14.8%)、ラテン系アメリカ人は13.3%(昨年12.7%)、ネイティブアメリカンは1.2%(昨年1.8%)、ネイティブハワイアンは0.6%(昨年0.4%)。12.2%が留学生で、8.8%は米国の二重国籍です。

※1 https://news.harvard.edu/gazette/story/2021/04/harvard-college-accepts-1968-to-class-of-2025/

※2 https://www.nytimes.com/2021/04/17/us/minority-acceptance-ivy-league-cornell.html

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