東京都は都立高校の分散登校やゴールデンウイーク(GW、29日~5月9日)中の全面オンライン学習の方針を打ち出した。小中学校を所管する都内の区市町村や大学でも、宣言に対応する動きが出ている。
都教育委員会によると、高校生は小中学生と比べて遠くから通い、部活動や休日の学校外での感染も目立つ。都立高で始業や終業時間をずらす時差通学に加え、分散登校も行い、登校する生徒数を3分の2以下に抑えるとする。
GW中の授業日は自宅学習とし、オンラインで課題を配信したり、同時双方向型のホームルーム(HR)を行う。さらに全ての部活動を中止にし、競技団体が主催する大会は生徒や保護者の同意書を得て、2週間の健康観察の徹底などを条件として参加を認めるとした。
◆小中学校は市区町村で判断、対応分かれる
都教委の担当者は「小中学校の対応は区市町村の判断になる」としている。
区市町村では当面、小中学校での分散登校は実施せず、部活動を制限することなどを検討。板橋区は24日、区立中学の部活動を中止すると決めた。
ただ、世田谷区が「部活動は時間を制限し、原則平日のみ」とするなど部活動を続ける中学もあり、対応は分かれている。宣言期間中の校外での音楽鑑賞教室などを中止し、5月下旬の運動会や修学旅行を延期すると決めた学校もある。
◆ほぼ全国の小中学校でタブレット配備「学び止めない」
全国ほぼ全ての小中学校には1人1台のパソコンやタブレット端末が昨年度中に配備された。渋谷区教委の担当者は「オンライン授業の準備も整えている。どういう形であれ学びは止めない」と強調。一方、パソコン配備の完了予定が9月にずれこんだ足立区教委の担当者は「端末の初期設定に時間がかかっている。頭が痛い」と話す。
本年度から対面授業を増やしてきた都内の各大学も対応に苦慮。国士舘大は期間中の授業日を全て休講とし、学生らのキャンパスへの入構を禁止する。法政大は実験や実習などの一部で対面を維持するほかは随時オンラインに切り替えると公表。各大学は学生に一層の感染防止を呼び掛けている。(土門哲雄、松尾博史)
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