「GIGAスクール元年」。
政府が打ち出した構想で、デジタル端末を1人1台、そして高速で大容量のネットワークを整備しようという計画。
この春、全国の公立小中学校で始まった試み。
学校の今を取材した。
東京・八王子市、いずみの森義務教育学校の小学5年生の教室。
新学期から元気いっぱいの子どもたちが取り出したのは、1人1台のパソコン。
令和の時代の新しい文房具。
きょうの授業は、日本の地形を調べて、パソコンのアプリを使いながら、結果をまとめていくというもの。
キーボードを打つ子どもたち。
みんな真剣な表情。
小学生「楽しい!!」「自分で調べられるものが多くなって、達成感がある」
一方、中学2年生の理科。
動植物の細胞について調べたことを、班で話し合ったうえで発表するという授業。
発表までの一連のプロセスが1回の授業で完結できるのは、デジタルならではのスピード感。
子どもたちが帰った放課後、授業を受けているのは先生たち。
デジタル機器に不慣れな先生などを対象とした、新年度初めてのICT(情報通信技術)研修。
いずみの森義務教育学校・石田龍雲主幹教諭「自分(だけ)が完璧にくわしくなろうと思うとしんどいので、みんなでこういうことをやってみたよと、オープンにしながら進めていけたら」
先生たちも「GIGAスクール元年」に乗り遅れまいと必死で勉強中。
先生たちが今、一番悩ましいのが、従来の授業に、どのようにパソコンを組み入れるべきなのかという問題。
いずみの森義務教育学校・末吉理恵教諭「昔は、チョーク1本あれば、教員はそれでいいと教えてもらった時代もあった。今は本当に時代が変わった」
デジタル機器がなくてはならない時代を生きる子どもたちのために始まった、「GIGAスクール構想」。
新型コロナウイルスの影響もあり、政府は1人1台整備などの計画を大幅に前倒しした。
こうしたスピードアップの反面、学校現場には手つかずの課題がたくさん残っている。
この学校では、家庭への端末持ち帰りを前提に、持ち帰りの頻度や使用時間についてのルール作りなどをどうすべきか議論が続けられていた。
こうした学校現場の苦労について、文科省の担当者に話を聞いた。
文科省初等中等教育局・板倉寛企画官「当然、試行錯誤する。ときには失敗もあると思う。失敗をおそれず、まさに今大事なことは、ICTをツールとして使っていくことが、確実に子どもたちの将来のために役立っていくようにしていくこと」
本格始動した、1人1台教育。
10年後、20年後の子どもたちの未来は、もうすでに始まっている。
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