海軍士官の養成目指した都内の2校、今は難関大学に続々送り出す(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

花のつくりとはたらき

 昨年度はコロナ禍で学校見学もなかなかできませんでしたが、今年度は感染リスクを最小にした上で、学校を見学する機会も徐々に増えるかと思います。ただ、人数制限をする学校も多いため、例年より定員は少なめになります。気になる学校はこまめにWEBサイトをチェックし、早めに予約をするようにしてください。

■「新しい人間力」「新しい学力」を目指す海城

 さて今回は、都内の男子校2校を紹介したいと思います。まずは海城中学校です。最寄り駅のJR山手線「新大久保駅」から徒歩5分ほどの位置にあります。周囲には早稲田大学や学習院女子大学のキャンパスもあり、比較的緑の多いエリアです。山手線内の学校としては比較的大きめの人工芝グラウンドもあり、環境は恵まれています。東京メトロ副都心線の開業後は同線「西早稲田駅」から通学する生徒もおり、埼玉県や神奈川県からもアクセスがよくなりました。

 同校は1891年、海軍少佐だった古賀喜三郎が私財を投じて創立した海軍予備校を源流とします。発足当初は海軍兵学校を志す生徒のための学校でしたが、徐々に高等学校を目指す普通の中学校に変化したようです。第2次世界大戦後は新制海城中高となり、現在に至ります。2011年に高校募集を停止し、完全中高一貫校となりました。

 開校以来、「国家・社会に有為な人材の育成」を建学の精神としています。グローバル化が進展する世界、多様な価値観を持つ日本の現代社会で必要とされる人材を現在も育成しています。そのためコミュニケーション能力とコラボレーション能力を兼ね備えた「新しい人間力」と、課題設定・解決能力からなる「新しい学力」をバランスよく兼ね備えた人材の育成を目指しています。

「新しい人間力」の目指す共生、協働力を育むために、中1、中2では、未知の世界に挑戦する体験学習プログラム「プロジェクトアドベンチャー」を実施しています。中学校の各授業では、演劇の手法を用いて体験的に行われる教育プログラム「ドラマエデュケーション」も取り入れています。また、「新しい学力」を示す課題設定・解決能力の育成では、1992年から、中学校の社会科で探究型総合学習を導入しています。生徒たちは中3での社会科卒論発表会に向け、各自で課題を設定し、取材・調査を行い、論文を執筆しています。

 グローバル教育の面では、1学年30人の帰国生を受け入れています。多様な生活体験や学習体験を持つ生徒を各クラスに均等に割り振ることで共生教育が深まるだけでなく、英語力の高い帰国生の存在は一般生にとってかなりの刺激になるそうです。平常時は中3での米国研修、高校での英国研修、そしてカナダでの語学研修もあります。海外大学進学を目指す生徒には、個別カウンセリングやエッセー・ライティングなどの支援も実施しており、全日本高校模擬国連大会へ出場し、入賞する生徒も育っています。

 また、同校はICT教育でも最も進んだ学校の一つです。2015年から、普通教室にも電子黒板機能付きのプロジェクターとWi-Fiルーターを設置しています。高校生は全員がiPadを持って授業に活用しており、中学生にもMacBook Airが配布されています。そのため休校によって家庭学習を余儀なくされることになっても、対応できる準備は整っています。

 今夏には新しく理科館も完成予定で、物理・化学・生物・地学それぞれに専用実験室が設置されます。理科教育もますます盛んになると思われます。

 進学実績の良さも同校の魅力です。今春も東京大47人、京都大15人、早稲田大150人、慶応大112人など難関大学合格者を多数輩出しています。さらに東京大理科3類に3人合格など国公立大学の医学部へ48人、医学部医学科の合格者の総数は141人と医学部に進学する生徒が毎年多いのも特徴です。生徒一人一人の努力に加え、医学部受験生向けの特別講座を用意するなど、生徒の進路を学校全体で応援することも大きな成果の要因です。

 同校の先生は、海城の生徒について「人なつっこく穏やかで、のびのびとした個性豊かな人物が多い」と評します。「本校は、男子特有の良い意味でのオタク気質を存分に伸ばせる環境で、誰一人として埋没することなく、活躍できる居場所があり、6年間一緒に無我夢中になれる仲間ができる学校です」

 恵まれた学習環境で、熱意ある先生と生徒に囲まれ、先進的な教育を行っている海城は思春期の男子を心身ともに成長させる学校の一つだと思います。

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