宮城教育大は2022年の学部改組に合わせ、東北の教員養成の実情に合わせた入学者選抜を始める。小学校や幼稚園などの初等教育専攻に「宮城県内定着枠」を新設する一方、教員養成課程が少ない教科の教員を目指す宮城県外出身者が対象の「地域定着枠」も設定。東北各地の生徒らに門戸を広げる。
卒業後に特定の地域で勤務することを条件とする「地域枠」は医学部に多いが、教員養成で導入するのは東北の大学で初めて。
学部改組は初等教育、中等教育、特別支援教育の三つに分かれている教員養成課程を一元化した上で、現行の3課程をそれぞれ専攻として設置。現行の各課程から音楽や美術、体育などの実技系科目を独立させて集約した「芸術体育・生活系教育専攻」と合わせた4専攻体制にする。
新たなプログラムのうち学校推薦型選抜の宮城県内定着枠は、県教委の公立校教員採用試験で導入されている「地域枠」に連動させる。地元出身教員が少ない沿岸部などの小学校に10年程度勤めてもらう地域枠に合わせ、石巻市や南三陸町など6市6町での勤務希望があることを推薦条件にする。他県出身者も出願可能で、10人を募集する。
芸術体育・生活系教育専攻は総合型選抜で45人を募集。中学校の音楽、美術、保健体育、技術、家庭科のいずれかの教員免許に加え、小学校か中学校の他教科の免許取得が卒業要件となる。
このうち8人は「地域定着枠」とし、出身地の大学が養成課程を廃止した実技系科目の教員を目指す人を想定。宮城県外で教職に就く希望を持っていることを出願条件にする。いずれのプログラムも22年度入学の出願分から始める。
宮教大の松岡尚敏副学長は「宮城県の教育現場に地域差なく教員を送り出す使命に加え、東北全体の教員確保に貢献する責任も感じている。意欲のある学生に出願してほしい」と話す。
河北新報
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