伝統の男子校・女子校、最後の新入生 入学願書にも変化 – 朝日新聞デジタル

花のつくりとはたらき

 多くの栃木県立高校で7日、入学式があった。足利女子、足利、宇都宮中央女子は来春から共学となるため、男子校、女子校としては最後の入学式となった。

 創立112年の足利女子は159人の新入生を迎えた。佐藤弘道校長は「2年生から共学になるが、本校の伝統をこの1年間でしっかり学んで、新しい学校につなげてほしい」と述べ、「自由、自主、自立」が校風の同校で「主体的に考える力を身に付けてほしい」とあいさつした。

 新入生代表を務めた深津葉南さんは「最後の足利女子高の生徒という責任感を感じる。1年間、新しい仲間と行事や部活などを通じて学んでいきたい」と語った。

 中学で吹奏楽部だった深津さんは管弦楽部に入ってトロンボーンを希望するつもりだ。足利女子はセーラー服の襟、左胸、袖口にある3本の白線と襟の星2個が特徴。「あこがれの制服を着てうれしいです」と話した。

 創立100年の足利も男子校として最後の春。160人の新入生を迎えた。渡辺佐知夫校長は3月まで足利女子の校長だった。「足高は質実剛健、文武両道が校訓。1年間で100年分の歴史を学びつつ、来年は2年生として学校を支える存在になってほしい」と語りかけた。コロナ禍で校歌斉唱は見送ったが、音楽部が演奏して彩りを添えた。

 来春に誕生する新・足利は新しい校歌になる。中森明菜さんのヒット曲などを手がけた卒業生の売野雅勇さんが作詞。校章は足利学校にちなみ、学問の木と呼ばれる楷(かい)の木のデザインが採り入れられた。統合当初は現在の足利の校舎を使い、足利女子と市民会館の跡地に建設予定の新校舎に移る計画だ。

 宇都宮中央女子は281人を迎えた。新入生代表の小松礼佳さんは「創立93年の歴史と伝統を誇る宇中女の生徒として卒業する最後の学年。有終の美を飾ることができるよう、自ら思考し、判断し、行動していく覚悟」と宣誓の言葉を力強く語った。

 今年の新入生は宇中女の生徒として3年間過ごす。来春の1年生から共学でスタートする宇都宮中央の校歌は「虹色の夢」に決まった。校章は現在のものを継承する。新しい体育館の建設などは今月から始まる。(根岸敦生、津布楽洋一)

願書の性別欄を廃止へ

 来年春の県立高校入試から、これまで入学願書にあった性別欄を廃止することになった。県教育委員会が7日に発表した。

 性別欄は県立中学校や特別支援学校の入学願書でも廃止する。荒川政利教育長は「抵抗がないように性別欄を外す」と理由を説明した。中学校が作成する生徒の調査書の性別欄はそのまま残すとしている。

 また、社会と理科の入試の試験時間を45分間から50分に変更する。これにより5教科すべてが50分となる。(津布楽洋一)

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