東京都教育委員会は、学習指導要領の目標に準拠した評価の客観性・信頼性を確保することを目的に、目標に準拠した評価が導入された2002年度(平成14年度)より調査を実施している。なお、東京都立高等学校入学者選抜で活用した評定は、今回調査した都内公立中学校第3学年および義務教育学校第9学年(2020年12月31日現在)のもの。調査対象は、中等教育学校、義務教育学校を含めた都内公立中学校等623校。
国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語(英語)の9教科全体の評定は、「5」13.5%、「4」25.5%、「3」46.6%、「2」11.2%、「1」3.2%だった。全9教科で「5」と「4」の評定の割合の合計は38~41%。「5」の割合がもっとも高かった教科は「外国語(英語)」16.1%、ついで「社会」15.2%、「数学」14.9%。「3」の割合は「保健体育」「技術・家庭」「美術」の順に高く、いずれも49%を超えた。全教科では41~52%。また、「1」の割合は「数学」4.3%、「外国語(英語)」3.9%、「社会」3.5%の順に高く、「外国語(英語)」では「2」と「1」の評定の割合の合計が20%を超えていた。
前年度(2020年度)の調査結果と比べると、「5」の割合はすべての教科で0.8~1.5ポイントの微増。「1」の割合は、社会、音楽、美術は0.1~0.2ポイントの微増、国語、保健体育、技術・家庭は増減なし、数学、理科、外国語(英語)は0.1ポイントの微減だった。
特異な評定状況を示す教科のある学校として、全教科にわたり「1」の評定が付いていない学校は前年度の1校から3校に増加。「2」と「1」の評定がまったくない教科のある学校は、前年度の2校から4校となった。
今回の調査では、特異な評定状況を示す教科のある学校が延べ7校あったが、区市教育委員会などからは、管下のすべての中学校などにおいて、学習指導要領の目標や内容に基づき、適切な評定を行っているという報告を受けていることから、入学者選抜において成績一覧表および調査書に記載されている目標に準拠した評価は全体としておおむね適正に実施され、客観性・信頼性は確保されていると判断した。
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