文科省の「教科用図書検定調査審議会」は3月30日、総会を開き、2022年度から使われる高校の新学習指導要領に対応した教科書の検定結果を公表した。教科の大幅な見直しを受けて新たな科目となった「公共」や「情報Ⅰ」などが、初めて検定を受けた。高校の教科書では当初申請のあった298点のうち296点が合格した。合格した教科書は21年度中に各地で採択が行われ、22年度の新学習指導要領の全面実施に合わせて使用が開始される。
検定が行われたのは、22年度から主に高校1年で使用される教科書298点と、昨年度に不合格となり、再申請された中学校の教科書2点。高校の新学習指導要領で大幅に教科が見直されたことを受けて、「公共」や「歴史総合」「情報Ⅰ」など9科目の教科書が初めて検定を受けた。
合格した教科書を教科別に見ると、高校が▽国語 34点▽地理歴史・公民 36点▽数学 48点▽理科 43点▽保健体育 3点▽美術 12点▽外国語 42点▽家庭 16点▽理数 2点▽情報 12点▽農業 4点▽工業 21点▽商業 17点▽水産 2点▽情報(専門) 2点▽福祉 2点――の合計296点。また、中学校が社会(歴史的分野)の1点。
一方、高校では地理歴史・公民(歴史総合)で1点が不合格となったほか、外国語(英語コミュニケーションⅠ)で1点、申請が取り下げとなった。また、中学校の社会(歴史的分野)で1点が不合格となった。不合格となった2点は来年度に再申請することができる。
検定を受けた教科書は、今年5月以降、全国の7会場で公開される。会場は▽教科書研究センター(東京都江東区) 5月25日~6月11日▽青森県総合社会教育センター(青森市) 6月29日~7月7日▽栃木県庁昭和館(宇都宮市) 7月6~15日▽富山県教育記念館(富山市) 6月26日~7月5日▽滋賀県大津市教育センター(大津市) 7月8~16日▽山口県健康づくりセンター(山口市) 6月24日~7月7日▽大分県立図書館(大分市)6月17~25日。
検定意見書や修正表など検定結果に関する情報は4月以降、文科省ウェブサイトで順次、掲載される。また、会場での公開終了後、資料は国立教育政策研究所教育図書館(文科省内)で通年公開される。
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