茨城県立高校入試の採点ミスを巡り、県教育委員会は30日、県立高校と県立中学・中等教育学校入試の解答用紙を再点検した結果、2020年度にも63校で471件の採点ミスがあったと発表した。このうち中等教育学校1校が20年度入試で受験生1人を不合格としていた。採点ミスは発表済みも合わせて20~21年度で計78校、988件に上った。
県教委はこれまでに県立高校93校の21年度入試について調査。今回は解答用紙が残っている20年度分も調査したほか、県立中学・中等教育学校11校(20年度は8校)の両年度分について調査し、県立高校の20年度入試で58校457件、県立中学などの両年度の入試で9校35件の採点ミスを確認。さらに学校側の自主点検で、21年度入試でのミスが新たに88件見つかった。1校あたりでは、多賀(日立市)の21年度入試でのミスが最多で76件だった。
この調査で、並木中等教育学校(つくば市)の20年度の受験生1人が追加合格となった。算数や理科の知識を問う検査で、8点の加点を0点に見誤って計算していた。受験生は現在、地元の中学校に通学。県教委が本人の意向を確認したうえで、希望すれば同校に2年次から転入できるようにする。
20年度の県立高校入試では、11校が解答用紙を廃棄して調査不能だった。保存期限を翌年3月31日までの1年度と定めた県教委の通知を誤認識していたとしている。
県教委は4月上旬に第三者による調査検討委員会を立ち上げ、原因究明を図る。同月末までに再発防止マニュアルを策定し、関係職員の処分も公表する予定だ。
県教委は17日の会見で、ミスが原因で不合格者が合格に変更されたのは初めてと説明していた。小泉元伸教育長は30日の会見で「これまで見つからなかったのはたまたまだった。構造的な問題もあると思う。具体的な再発防止策を検討したい」とした。【小林杏花】
新たに採点ミスが判明した県立校
◆高校
<2020年度入試、計457件>
高萩▽日立一▽日立二▽多賀▽日立商▽日立北▽太田一▽太田西山▽大子清流▽水戸一▽水戸三▽緑岡▽水戸農▽水戸工▽水戸商▽水戸桜ノ牧▽勝田工▽佐和▽那珂湊▽大洗▽東海▽茨城東▽那珂▽鉾田一▽鉾田二▽玉造工▽鹿島▽神栖▽波崎柳川▽土浦二▽土浦三▽土浦工▽土浦湖北▽石岡一▽石岡二▽中央▽竜ケ崎一▽竜ケ崎南▽江戸崎総合▽取手二▽取手松陽▽牛久栄進▽つくば工科▽真壁▽下館一▽下館二▽下妻一▽下妻二▽結城一▽鬼怒商▽石下紫峰▽水海道二▽八千代▽古河一▽古河三▽境▽坂東清風▽守谷
◆中学・中等教育
<21年度入試、計21件>
日立一高付属中▽水戸一高付属中▽鉾田一高付属中▽鹿島高付属中▽土浦一高付属中▽古河中等教育▽勝田中等教育
<20年度入試、計14件>
日立一高付属中▽鉾田一高付属中▽鹿島高付属中▽竜ケ崎一高付属中▽並木中等教育
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