迫る大学入学共通テスト センター試験から引き継がれるものは?[2021年度](ベネッセ 教育情報サイト) – Yahoo!ニュース

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初の実施となる2021年度の「大学入学共通テスト」が、2021年1月16~17日に迫りました。これまでの大学入試センター試験は31回を数え、受験生や学校関係者などに「試験文化」(義本博司・大学入試センター理事)を根付かせるとともに、「国民的な大規模イベント」(同)に定着させました。共通テストは、そんなセンター試験の蓄積から、何を引き継ぐべきなのでしょうか。その手掛かりとなるシンポジウムを、大学入試センターが20年11月に開催しました。その名もズバリ「『センター試験』をふり返る」です。

「接続」していなかった高大をつなぐ

私たちは普通、高校教育の上に大学教育が積み上がっている、というイメージを持つことでしょう。しかし、発表した荒井克弘・センター客員教授によると、もともと大学と高校の教育は「接続」していませんでした。明治に入って近代的な学校制度を導入した際、大学と小学校から別々に整備を始めたためです。その時から大学入試は、大学教育を受けるに足る能力があるかを測るものでしたが、必ずしもそれまでの学校教育を配慮したものとは限りませんでした。
高校と大学がクロスする部分の学力を測ることによって、両者の教育も大事にできる。そうして構想されたのが、国公立大学対象の「共通第1次学力試験」(共通1次、1979~89年度)やセンター試験という、共通試験だったのです。
その上で荒井客員教授は、今や大学・短大進学率が60%近くになる一方、高校の授業が「よくわかる」「だいたいわかる」という生徒が半数程度であることを指摘。実質的な「志願者全入」時代を迎え、入試方法も多様化が進んでいる時代に、大学教育と高校教育の質を保つ役割を引き続き果たすよう、共通テストに期待を掛けました。

思考力なども測ろうと出題の努力続ける

一方、前センター試験・研究統括官の大塚雄作・国際医療福祉大学特任教授は、これまでのセンター試験が、知識だけでなく思考力や応用力を見る問題も出題しようと努力し、関係者からも評価されてきたことを紹介。新テストに向けて、高校の新しい学習指導要領を先取りする形で、学んだ内容を日常生活と結び付けたり、他の教科・科目や社会との関わりを意識した内容を取り入れたりするなどの工夫も行ってきたと説明しました。2018年度の地理Bでムーミンを題材に取り上げて話題になったのも、その表れです。

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