大学入試改革の初年度である2021年度入試は、1月16・17日の「大学入学共通テスト」第1日程を皮切りに、本格化します。
これまでの主な入試区分といえば、「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の三つでした。それが今回から、それぞれ「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」に替わりました。今後の動向によっては、どの入試区分を選ぶか、受験生の行動も変わってくるかもしれません。
旧入試区分では、どういった状況だったのでしょう。
一部で「学力不問入試」と批判
文部科学省の調査によると、2020年度入試での三つの区分の割合は、一般入試が52.3%、AO入試が13.5%、推薦入試が33.7%でした。ただし、これは大学が実施する入試区分の延べ数に対してです。
実際に入学した人数をベースにすると、一般54.9%、AO10.9%、推薦34.1%となります。国公私立の別では、▽国立が各87.8%、3.3%、8.9%▽公立が各71.8%、2.9%、25.0%▽私立が各44.1%、13.6%、42.0%。国公立では圧倒的に一般入試で入学した学生が多かったのに対して、私立では半数を割っています。
旧入試区分では、AOには「知識・技能の修得状況に過度に重点を置いた選抜基準とせず」(文科省の大学入学者選抜実施要項)という条件が付いていました。一方、推薦は、高校の調査書を主な資料として合否を判定しますが、「原則として学力検査を免除」(同)するとされていました。そのため、一部の大学のAO・推薦が「学力不問入試」になっているのではないかと批判され、それが入試改革のきっかけの一つにもなりました。
一部国公立はセンター試験を課す
ただし、国公立大学の場合は、状況が少し違います。
国立大のAOで、センター試験を「個別選抜と合算して合否判定」する選抜区分は30.8%を占め、「一定の得点以上を2次試験受験資格として設定」(いわゆる足切り)も16.9%ありました。つまり半数近くは「学力不問」どころか、センター試験でしっかり学力を問うていたのです。
公立では、合算方式は5.2%と少ないものの、足切りは13.4%でした。
一方、推薦でも、国立が合算方式32.8%、足切り8.3%、公立が各14.5%、9.2%となっていました。
これに対して私立では、AO、推薦で、いずれも99.1%がセンター試験を利用していませんでした。
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