【豊見城】豊見城市教育委員会は市内三つの中学校で、3年生を対象にした無料の受験対策講座を開講している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で生じた学習の遅れを取り戻し、受験の不安を軽減することが目的。予算はコロナ対策費として国から交付される地方創生臨時交付金を活用している。生徒からは「勉強で分からないところを聞ける場所があって良かった」と喜びの声が上がっている。
市内の3中学校はコロナ禍で4~5月と8月は休校となった。学習の遅れを取り戻そうと、市教育委員会は2020年12月から、市内の豊見城、伊良波、長嶺の各中学校で講座を開始。対象は原則、塾に通っておらず、同講座を希望する3年生だ。各校それぞれ定員は30人程度で、月~金の放課後に1時間、英数国理社を日替わりで学ぶ。講師は市が公募して選定された、一般社団法人教育振興会(浦添市城間)から派遣されている。教育振興会は県内各地で塾に通いづらい子らを対象に学習の機会を提供している。
25日、伊良波中学校では、5人の生徒が教室に集った。講師の大城拓郎さん(38)が黒板を使用しながら漢文と地理の授業を展開した。生徒は真剣なまなざしでノートをとったり、質問したりした。
大城さんは「休校の影響で焦りがあるように見える」と、コロナに翻弄(ほんろう)される生徒の心情をおもんぱかった。その上で「生徒は吸収しようとする姿勢がある。心のどこかで勉強したかったのではないか」と学ぶ姿勢を評価した。
12月からほぼ毎日受講している玉城舞花さん(14)は「コロナで休校となって心配だった。学校再開後も授業が進むのが早くて不安があった。分からないところをすぐに聞ける場所(講座)があって良かった。教材を無料でもらえるのも助かる」と話した。第一志望は那覇国際高校。合格に向けて「苦手な理科や社会も点数を上げていきたい」と述べた。高校の一般入試は3月3、4日に実施され、同講座は同3日まで開講する。
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