◆教育関係者(高校)の基礎資料に関するメモ
教育関係者向けに「ヤングケアラー・毒親」(7月25日公開)、採用担当者向けに「基礎資料」(7月31日)をそれぞれ出したところ、ご好評いただいた。
なので、この書籍紹介シリーズ、今後もちょこちょこ出していく予定。
さて、今回は教育関係者、特に高校教員向けの基礎資料である。
ただ、前2回と異なり、特に進路指導教員からすれば「それ、知っている」「うちは毎年、進路指導室に入れている」という本が相当多いはずだ。
しかも、選書したところ、15冊中、実に半数が旺文社のものとなった。付言しておくが、この書籍紹介シリーズは、筆者・石渡の独断によるものであると同時に、特定の出版社を遇する意図は全くない。
それでも、半数が旺文社を占めた、というのは、さすが教育関連の老舗、と言わざるを得ない。
他も、進路関係者の間ではメジャー扱いの本が多く、意外感を持たれる本は数冊というところではないだろうか。
ただ、進路指導担当ながら、まだその任に就いたばかりで、どの本をどう使うか、よくわからない、という方もいるはず。そうした方に向けて、本稿はまとめた。
それと、主読者対象は教育関係者、特に高校進路指導教員だが、企業・採用担当者も近年の大学・学部事情を把握するには役立つはずである。
『蛍雪時代 臨時増刊』(旺文社)
「全国大学学部・学科内容案内号」(4月)
「進路決定 資格・職業・奨学金ガイド」(6月)
「大学入試 推薦&総合型合格対策ガイド」(7月)
「全国大学内容案内号」(8月)
「大学入試 推薦&総合型受験年鑑」(9月)
「全国大学受験年鑑」(11月)
蛍雪本誌は入れなくても、臨時増刊は進路指導室に入れる高校は多い。電話帳並みに分厚く、しかも1冊2700円(税別)と結構な値段がする。
が、基礎資料という点では、この臨時増刊は外せない。
4月刊行の『学部・学科内容案内号』は、学部系統別に各大学の学部・学科の概要を掲載。
一見すると、どの系統かわかりづらい、情報系や環境系についても、丁寧に分けており、参考になる。なお、おそらくは、学位や教育内容などで分けている模様。
6月刊行「進路・職業・奨学金ガイド」は、各種資格・奨学金の概要や合格状況、取得方法などをまとめている。「職業」は公務員が中心。
キャリアルートや合格率なども掲載されており、参考になる。
8月刊行「大学内容案内号」は、各大学(と文科省所管外の大学校、専門職大学)の概要を掲載。巻末に一般入試の合格状況・倍率も掲載。
石渡はこの「大学内容案内号」のバックナンバーをそろえ、志願率の変遷などをまとめるのに使っている。
なお、合格状況・倍率などは、当然ながら大学提供のもの。回答が面倒なのか、非公開の大学が例年20~30校程度ある。率直に言って、ダメな私大ばかり(数校は、定員割れの逆、定員超過の疑いが強い私大もある)。
7月刊行「推薦&総合型対策ガイド」は、総合型選抜・学校推薦型選抜の入試対策ガイド。小論文のまとめ方、面接・GDの進行などをまとめている。一方、9月刊行「推薦&総合型受験年鑑」は、総合型選抜・学校推薦型選抜の受験情報の網羅本。
受験時期を考えれば、7月刊行は微妙なところで、前年度分も合わせて活用する方が良い。
『受験年鑑』も刊行時期が微妙で、大学によっては間に合わないところもありそう。
11月刊行の「大学受験年鑑」は各大学・一般入試の受験情報を網羅。進路指導の基礎資料としては、定番中の定番。ただ、石渡個人としては、「大学内容案内」「学部・学科内容案内」の方が面白い。
※本稿では、他に以下の9冊を選書、その解説は合計2500字です。
『蛍雪時代』(月刊、旺文社)
『蛍雪時代 特別編集 全国大学小論文入試』(年度版、旺文社)
『蛍雪時代 特別編集 大学の真の情報公開BOOK』(年度版、旺文社)
『大学ランキング』(年度版、朝日新聞出版)
『サンデー毎日増刊 大学入試全記録』(年度版、毎日新聞出版)
『学コレ 大学学部案内 学部コレクト』(学研プラス・編、けーしん、GAKKEN)
『大学あるあるこれくしょん』(ネピア、ぴあ)
『なぜ僕らは働くのか』(池上彰・監修、GAKKEN)
『改訂版 高校の勉強のトリセツ』(船登惟希・山下佳祐、GAKKEN)
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