3年生のみ、受験間近 リスク減で
新型コロナウイルスの感染対策で、白山市光野中学校など市内七つの中学で二十四日、三年生のみを対象にしたオンライン授業が始まった。生徒は自宅に持ち帰ったタブレット端末と学校の教室に設置されたモニターをつなげ、画面越しに授業を受けた。 (吉田拓海)
高校受験を間近に控える中学三年生が、コロナウイルスに感染したり濃厚接触者になったりするリスクを減らすのが目的。一、二年生は通常通り、学校で授業を受ける。
三年生の教室には生徒の姿はなく、教師の声だけが響いた。光野中では、三年生の四クラスで国語や理科などの授業をオンラインで実施。教師は黒板に書き込む様子をカメラで撮影したり、あらかじめ用意したスライドを生徒側のタブレットに表示させたりして授業を進めた。集音マイクの不調で音声が拾えないトラブルもあったが、生徒は教師の質問に答えながら集中して学んでいた。
理科の授業で飽和水溶液や電流などを教えた小坂優介講師(25)は「緊張した。授業では生徒の反応が重要だが、直接の反応がないと届いているか不安になる。問題点もわかったので改善したい」と語る。同校の若狭朋幸校長(56)は「生徒たちが真剣に聞いてくれて安心。生徒の感染リスクをできるかぎり少なくできれば」と述べた。
インターネット環境が自宅にない数人の生徒はこの日、学校に登校して授業を受けた。市教委は学校を通じてWi−Fiルーターを希望家庭に貸し出しているが、通信費は利用者負担のため、経済的な理由などで借りられない家庭もある。同市教委によると、これまでに貸し出し実績はない。
二十五日からは、他の二校を含む市内の全九中学校の三年生を対象に、オンライン授業が始まる。私立高の入試日当日の二月一日まで行う。
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