都道府県など公立高校の一般入試で、知識だけでなく思考力を問う問題が増えている。中学の学習指導要領改訂が直接のきっかけだが、別の改革が影響しているとの指摘もある。記述問題も増え、受験生にとっての難易度は上がっていると言えそうだ。
千葉県教育委員会は、今年2月の高校入試で、「思考力を問う問題」を新たに導入する。
県教委によると、5教科の共通問題とは別に、英語、数学、国語の内容を計60分で問う。これまで、基礎学力をみる共通問題で点差がつきにくい課題があり、主に学力上位校向けに作ったという。今年利用するのは県立千葉高校のみだが、担当者は「今後増える可能性はある」と話す。
県教委が昨年9月に公表したサンプルでは、数学は正しい選択肢を一つでなく全て選ぶ問題、英語は長文読解や英作文、国語では複数の文章を読んで筆者の意見をまとめる記述問題などが示された。
千葉を中心に首都圏で学習塾132教室を運営する市進の新井俊朗・高校受験指導室長は「調べて検証する作業や回答の記述量が多い問題があり、短時間で多くの情報を処理する能力が求められる。生徒からすると難易度は高い」と話す。
通塾生には「どんな問題か不安」と心配する声がある一方、「考えをまとめる力が大事だから意味がある」などと前向きに捉える意見もある。「難関私立高に傾向が近く、両立できると伝えている」という。
こうした思考力や表現力を重視する出題は、公立高入試に共通する傾向だ。
北海道教委は今年実施の入試…
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