デジタル教科書活用や大学ファンド創設…2021年度補正予算 – 教育業界ニュース「ReseEd(リシード)」

基本問題
 政府は2021年11月26日、2021年度(令和3年度)補正予算案を閣議決定した。文部科学省は、大学ファンドの創設に6,111億円、GIGAスクール構想の推進等に215億円等、合計1兆5,487億円を計上した。

 2021年度補正予算の一般会計歳出は35兆9,895億円。このうち、文部科学省補正予算では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止として、学生等の学びを継続するための緊急給付金に675億円、学校等の感染症対策等支援に331億円等を盛り込んだ。

 「科学技術立国の実現」では、10兆円規模の大学ファンドを創設し、大学の研究力を抜本的に強化するため、6,111億円を投じる。6,111億円の政府出資金を措置することで自己資本を拡充し、10兆円規模においても従来の自己資本比率を維持する。また、博士後期課程学生の処遇向上と研究環境確保に400億円を計上する。

 「安心と成長を呼ぶ『人』への投資の強化」では、個別最適な学びを実現するためのGIGAスクール構想の推進等に215億円を計上した。具体的には、GIGAスクール運営支援センター整備事業に52億円、学校のICTを活用した授業環境高度化推進事業に84億円、GIGAスクール構想推進のための学習者用デジタル教科書活用事業に35億円、デジタルコンテンツとしてのデジタル教科書の配信基盤の整備に30億円等。

 このうち、GIGAスクール構想推進のための学習者用デジタル教科書活用事業では、2024年度(令和6年度)の本格的な導入を目指すため、国公私立の小学校5・6年生、中学校全学年を対象にデジタル教科書(付属教材を含む)を提供。朗読音声を用いた外国語(英語)での活用について検証する他、算数・数学と理科のいずれか1教科、音楽、図画工作・美術、技術、家庭、体育・保健体育のうちのいずれか1教科でも実証する。

 デジタルコンテンツとしてのデジタル教科書の配信基盤の整備では、通信回線速度が遅い学校でもデジタル教科書や連携するデジタル教材等が確実に届く配信基盤を実証。文部科学省としてデジタル教科書の要件定義を示し、各発行者等がそれに対応したデジタル教科書・配信方法を開発、実証する。

 この他、国の教育データや研究成果を集約・公開し分析・研究等を行うことができる「公教育データ・プラットフォーム(仮称)」の構築に3億円、児童生徒に性暴力等を行い教員免許状が失効等した特定免許状失効者等の管理システムの構築等に10億円を盛り込んでいる。

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