正確で良質な「ブリタニカ・オンライン中高生版」が、生徒の深い学びを叶える――茨城県立下館第一高等学校「ブリタニカ・オンライン中高生版」授業実践レポート – こどもとIT[Sponsored] – impress.co.jp

花のつくりとはたらき

茨城県立下館第一高等学校では、生徒全員が「ブリタニカ・オンライン中高生版」を使用できる

1人1台端末で学ぶことが当たり前になった今、探究学習や課題解決型学習、STEAMなど、正解がひとつとは限らない問いに対して、ネットを活用しながら自分で情報を収集し、アウトプットする学びが増えている。

その際に課題となるのが、情報の信ぴょう性。ネットの情報はどれが正しくて、どれが自分にとって必要なものなのか。生徒が情報を精査できる能力を身につけることも大切であるが、一方で、良質な情報に触れられる学びの環境も求められる。

そんな課題に対して茨城県立下館第一高等学校は、学術的にも評価が高いデジタル百科事典「ブリタニカ・オンライン中高生版」を導入。1人1台端末や探究学習にどのように活用しているのか、教員や生徒に話を聞いた。

⽣徒の⼿元に必要なのは、信頼性の⾼い良質なコンテンツ

茨城県立下館第一高等学校は2023年度に創立100周年を迎える伝統校。茨城県教育委員会の事業「県立学校等チャレンジ・プロジェクト」の強化校にも指定

茨城県立下館第一高等学校(茨城県筑西市/以下、下館一高)は、文武両道の精神を重んじる進学校で、大学卒業後に地域で活躍できるグローカルな人財育成をめざしている。海外研修や校外活動を充実させるほか、2021年度の高校1年生からはiPadによる1人1台環境も導入。2020年度には附属中学校も開校し、中高一貫教育校として新たなフェーズを迎えた。

そんな下館一高が以前より力を入れてきたのが、「館一グローカルチャレンジ」と呼ばれる探究活動だ。2022年度から高校では「総合的な探究の時間」が必履修科目となるが、同校では、これをいち早く実施。国際、地域課題、企業商品開発、科学など、さまざまな分野の探究活動を20講座も用意し、生徒が自分の興味・関心に合わせて学べる環境を築いている。

茨城県立下館第一高等学校 組織マネジメント推進部長 中原正人教諭

同校の組織マネジメント推進部長 中原正人教諭は探究活動について、学習指導要領の改訂や大学入試への対応も取り組みの一因であるが、それ以上に、「生徒たちの視野を広げていきたい」と想いを語る。教科の学習や受験勉強だけでは視野が狭くなりがちで、現代の社会課題に向き合うのはむずかしい。生徒たちには学びを楽しみながら、自分の世界を広げてほしいというのだ。

茨城県では2021年度入学の高校1年生より、県内の全ての高校で1人1台端末を実施。使用する機種は各学校で選択する。下館一高はiPadを選択し、高2、高3については、探究活動の時間など必要に応じて、スマートフォンを利用している

探究活動を実施するにあたり、中原教諭は「生徒が主体となって取り組むためには、情報収集が不可欠で、ICTを本格的に取り入れる必要がありました」と振り返る。

そのため下館一高では当時、1人1台環境を実施していなかったが、探究活動の時間に限って、生徒が持っているスマートフォンを情報収集のツールとして利用。さらに、良質な情報や信頼性の高い学習コンテンツも必要という判断から、デジタル百科事典「ブリタニカ・オンライン中高生版」を導入した。

下館一高では、探究活動は週1回の「総合的な探究の時間」で実施されている

「ネット上の情報は玉石混交で、生徒は検索した結果を信用できる情報として扱ってしまいがちです。もちろん、生徒の情報リテラシーを高めるために、正しい情報を見極める能力を身につけることは大切ですが、探究活動の時間は限られており、情報の精査に時間を費やすことはむずかしいです。生徒たちには学術的な情報や、信頼性の高い情報に触れることで研究の入り口を経験してもらいたくて、質の良い学習コンテンツが必要だと考えました」と中原教諭は語る。

下館一高が導入したブリタニカ・オンライン中高生版は、ブリタニカ国際大百科事典がデジタル化された「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」と、英語圏の学生が使用しているデータベース「Britannica School」、300万点以上の画像やイラストを収録したイメージデータベース「Britannica ImageQuest」という、3種類のコンテンツがセットになったものだ。

250年の”知”が集積されたブリタニカ国際大百科事典、デジタル化されたのが「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」

すべてのコンテンツはブラウザーで閲覧可能なので、マルチデバイスで活用でき、生徒にとっても使いやすい。中原教諭も「通学中に勉強している生徒が多く、何か調べたいときに、いつでも良質なコンテンツが生徒の手元にあるのはメリットだと考えています」と述べる。

また、すべての項目が各分野の専門家によって執筆され、安心できる内容であったことも採用の決め手になったという。「一つひとつの項目が詳しく書かれており、学問や研究につながる用語で書かれているのがいいですね。オンライン版は、百科事典のデータベースが頻繁に更新されているので、鮮度の高い情報に触れられるのも魅力です」(中原教諭)。

300万点以上の画像やイラストを収録したイメージデータベース「Britannica ImageQuest」

さらに、英語教育にも力を入れている下館一高では、本場の英語に触れられるBritannica Schoolが使えることもメリットだったと中原教諭。専門分野の英文を読ませたくても、生徒のレベルに合ったものを提供するのはむずかしい。その点、Britannica Schoolであれば、同じ項目でも、「Elementary」「Middle」「High」という3段階のレベルが用意されているので、生徒の英語力に合わせて活用できるというのだ。

英語を活用した学びをレベルに応じて提供する百科事典データベース「Britannica School」

自分の興味・関心が、どの学問や研究につながるのかを知る

下館一高では、どのように「ブリタニカ・オンライン中高生版」を活用しているのだろうか。

高2世界史では「オリエントの統一」を学ぶ授業で、教員が用語集として「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」を活用。ダレイオス3世やアレクサンドロス3世といった人物の項目を電子黒板に提示し、概要を説明しながら関連の項目を行き来していた。教科書や資料集と異なり、関連する用語つながりで知識を深められるのは面白い。

「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」で調べたアレクサンドロス3世の項目。かなり詳しく書かれている

また1人1台環境が導入された高1の生物では、Britannica ImageQuestを活用して、生徒らが「アルコール性黄疸」について画像検索。その後、教員が肝硬変や肝臓がんのリスクについて説明した。中原教諭は「画像が豊富に収録されており、特に歴史や理科の教科では資料集に載っていない画像も見せられて役立っています」と語る。

Britannica ImageQuestを使って画像検索。収録されているすべての画像は、非営利の教育目的用に著作権処理済みなので、レポートやプレゼンにも活用しやすい

中原教諭が担当する「地域課題」がテーマの探究活動では、生徒たちがこれからどのようなテーマに取り組むのか、問題発見や課題設定の入り口としてブリタニカ・オンライン中高生版を活用していた。「地域格差」や「社会計画」、「観光人類学」や「観光地理学」というキーワードを教員から提示され、検索結果を読みながら、人口減少問題や農業の就労問題などの地域課題を見つけていく。

中原教諭は「生徒たちが自分の興味・関心をベースに進めることも大切ですが、一人よがりにならないように気をつけています。どんな興味でも学問や研究、社会とつながっていることを実感し、自分の考えや知識を高めながら、いずれは進路選択に発展できれば理想ですね」と語る。

ほかにも、文学をテーマした探究の講座では、生徒が好きな本や作家にテーマを絞り、ブリタニカ・オンライン・ジャパンで情報収集していた。下館一高では、ブリタニカを使うだけでなく、図書館の利用や紙の本を読むことも併用して、探究活動を進めている。

探究活動では、ブリタニカ・オンライン中高生版を使う生徒もいれば、紙の本を利用する生徒も。それぞれの目的に応じて情報収集に取り組む

探究活動については、1年間の締めくくりとして生徒が自らの研究成果を資料にまとめて発表する時間も設けられている。昨年度、発表を行なった生徒からは「今まで1つのテーマについて深く調べて発表する機会がなく、自分にはできないと思っていた。しかし、調べるためのコンテンツと機会を用意してもらい挑戦したら、とても面白かった」という声が挙がったという。

漠然と描いていた夢が、明確な進路に

高校3年生の田﨑彩名さんにブリタニカ・オンライン中高生版について話を聞いた。

「普段の授業や探究活動で情報収集をする際、先生から信頼できるサイトで調べるようにと言われていましたが、インターネットの情報は量が多すぎて、自分に必要な情報はどれか、自分の選んだ情報は本当に正しいのか、私の判断も曖昧で自信が持てませんでした。でもブリタニカを使うときは、“ここにある情報は正しい”と分かっているので、調べることに集中できました」と田﨑さんはメリットを語ってくれた。

茨城県立下館第一高等学校 3年 田﨑彩名さん

田﨑さんは探究活動で、アフリカの医療をテーマに取り組んだ。将来は助産師を目指しているそうだが、英語や海外にも興味があり、ブリタニカ・オンライン中高生版を使って発展途上国の医療について調査したという。

「ブリタニカを使って、アフリカの新生児死亡率のデータを調べたり、現地の医療状況を動画で見たり、英文でもさまざまな情報を得ることができました。知識が増えたことで自分の考えがクリアになり、自分は何をしたいのかが明確になりました。大学も国際看護の分野に進もうと決めています」と田﨑さんは語る。それまで漠然と描いていた助産師の夢が、探究活動を通して、いずれは海外で医療活動に携わる職業に就くという明確な目標になったというのだ。

現在、田﨑さんは受験勉強にもBritannica Schoolを活用している。看護やチャイルドケアなど、興味のある用語で検索した英文を印刷してノートに和訳。受験対策の問題集には載っていない、看護に関する専門的な英文を読むことで、英語だけでなく看護の知識にも触れられるのがメリットだという。「ブリタニカは見出しも大きくて内容も簡潔なので、“次はこの記事を読んでみようかな”と自分の興味に合わせて記事が探しやすいです」と田﨑さん。

田﨑さんがBritannica Schoolに収録された「Child care」の英文を印刷し、和訳したノート

Britannica Schoolをブラウザーで開いた「Child care」のページ

課題に感じていた、”深い学び”に手応え

ブリタニカ・オンライン中高生版を活用した探究活動を振り返り、中原教諭は「主体的・対話的で深い学び」の中でも、特に課題に感じていた”深い学び”に手応えを感じていると話す。

「さまざまな知識や情報に触れながら、自分で学びを深めていくのは、とても難しいです。ともすれば、情報が錯そうする中に迷い込み、どうしていいのか分からない状況にも陥ります。しかし、ブリタニカ・オンライン中高生版は、1つの用語を調べると、それに関連した事象がつながることで学びが深まるという特徴があり、生徒もそのつながりを実感できていると思います。田﨑さんのように、生徒が自分の興味を軸に、学びを深める姿を目にできるようになってきたのが嬉しい変化のひとつです」(中原教諭)。

今後は、教科の学びと探究活動の結びつきを強めていきたいと中原教諭は語る。探究活動で調べている内容が、教科学習とどのようにつながっているのか、学ぶ楽しさをさらに追求したい考えだ。

1人1台端末で学ぶことが当たり前になった今、そこからどのようなコンテンツにアクセスするかによって、学びの質は左右されると言っていいだろう。情報過多な時代だからこそ、いつでも安心して、良質なコンテンツに触れられる学習環境は、極めて貴重であり、学びを高めるのに欠かせない。ブリタニカ・オンライン中高生版は、そうした学習環境を築くのに最適なツールであり、生徒たちの主体的な学びも支えてくれる、有能な相棒だ。

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