塾選びを惑わす「合格者水増し」疑惑も噴出!臨海セミナー事件が映す塾業界の闇 – ダイヤモンド・オンライン

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『週刊ダイヤモンド』9月25日号の第1特集は「わが子にピッタリ!がわかる 塾予備校」です。小中高の各学校で新学期が始まりました。9~10月は塾選びの絶好のタイミングですが、無数に存在する塾の選び方は困難を極めます。そこで「勉学の秋」に、子どもにピッタリな塾を探すためのお得な情報をお届けします。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

「行き過ぎた勧誘活動があった」


臨海セミナーに同業19社が猛抗議

Photo:Diamond

「学習塾業界の健全な発展のためにお互い透明性のある競合関係のもとで切磋琢磨していくことで合意した」――。

 昨年12月17日、高校受験を主力とし、首都圏を中心に展開する大手学習塾、臨海セミナー(塾生約6万人)とステップ(同3万人)2社が、そんな共同声明を発表した。

 極めて常識的なこの声明の裏には、“消費者”の塾選びを惑わす塾・予備校業界を取り巻く苦境と闇がある。

 共同声明に至る発端は、同月3日、ステップを幹事社に早稲田アカデミーや秀英予備校など19社もの塾・予備校が連名で、臨海セミナーに対し、その業務改善などを求める前代未聞の申し入れをしたことだ。

 申し入れ書で非難されたのは、まずその営業手法。臨海セミナーは自らの塾生である中学生を通じて、成績優秀な同級生などへ模試の案内やアンケートを配布して個人情報をかき集め、その生徒や保護者の同意なしに勧誘に利用する一方、協力した塾生には金券などを渡している、というものだ。

 臨海セミナーはこの20年で校舎数を5倍超に拡大し、売上高も右肩上がりだ。その快進撃の一因には、こうした強引な営業手法もあるのではないか、といううがった見方も他の塾で出ている。

 さらには、入試直前に他の塾の生徒をその塾に在籍させたまま臨海セミナーの「特待生」としても勧誘し、その生徒が合格した際には臨海セミナーの合格実績としてもカウントしているのではないか、という「水増し」疑惑までも指摘された(臨海セミナー側は否定)。

 その後の協議を経て両社は共同声明に至ったものの、その際、臨海セミナーは「営業運営方針」も同時にホームページ(HP)に掲載した。現在はHPに見つけることができないが、首都圏の塾幹部によれば、そこには以下のような文言が記されていたという。

「過去の合格実績について、これまで『自主基準』を公表してこなかったことで、一部誤解や疑問を招いたため、今後は透明性の確保に取り組みます」「個人情報保護法の精神を尊重し、特に未成年の生徒に依頼する情報収集については、その方法に十分留意します」「一部行き過ぎた勧誘活動を反省し、ご迷惑をおかけした方々におわびする」

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