都立高校の入試に男女別の定員が設けられていることについて、教員らのグループが、性別によって合格点に差が生じることは公正な入試のあり方として問題だとして、都と教育委員会に制度の撤廃を要望しました。

要望したのは、都立高校の教員らでつくるグループです。


賛同する3万153人の署名とあわせ、都と教育委員会に要望書を提出しました。


要望では、都立高校の入試の男女別定員について「戦後、共学化した際に段階的に設けられたもので、歴史的使命を終えている」としています。


そのうえで、「性別によって合格点に差が生じることは公正な入試のあり方として問題がある。性に違和を持つ受験生への対応の面からも看過できない」として、最終的に撤廃するよう求めています。


一方で、すぐに撤廃すると受験生に大きな影響があるとして、当面の対応として、制度の根拠を周知することや、受験生に得点を開示する際、男女別の合格点を示すことを提案しています。


また、合格点の男女差を小さくするため定員の1割は性別に関わらず得点順で決める「緩和枠」について、実施校を増やすべきだとしています。


グループの代表を務める教員は「ほとんどの受験生に知られていない問題で、幅広い議論が必要だ」と話しています。